IaaSおよびPaaSでビジネス成果を獲得するためのポイントはなにか
ハイブリッドクラウド、マルチクラウドとはどのようなものでどのような価値があるのか
クラウド・コンピューティングで成功を収めるアプローチとはどのようなものか
ITインフラがクラウドに収束するのは時間の問題であり、従来型インフラのままではビジネス貢献は困難となる。クラウドの是非を議論する段階は終了し、いつまでに、どのようにして、どのようなクラウド・アーキテクチャに至るのかを議論すべき段階に来ている。クラウドを「新しい概念のIT」として認識し、過去の成功体験や指向を捨てて、「IT基盤によるビジネス推進」をベースに、クラウド移行スケジュールを検討すべきである。
構成
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IaaS活用のポイント
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PaaS活用のポイント
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次世代ハイブリッドクラウド・ソリューションの価値
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クラウド活用指針
- 結論
クラウドに前向きな大企業が過半数を超える
出典:ITR 「IT投資動向調査2017」
ITRが毎年実施している「IT投資動向調査2017」において、「新規導入システムのクラウドの利用」に対し「すでに実施」と回答した企業は22.2%であった。この数字だけを見ると、国内においてクラウド活用はまだ進んでいないと判断することも可能である。しかし、図に示したように企業規模別に見ると状況は変わってくる。従業員が5,000人以上の大企業においては、新規システムに対しすでにクラウドを活用している企業は約3分の1を占める。「1年以内に活用」とする企業を合わせるとクラウドに前向きな大企業は過半数を占めることがわかる。このことから、国内大企業においてクラウドはすでに一般的なソリューションと認知されていると考えてよいだろう。
歴史的に見て、日本では先進的なITは大企業が先に採用し、その後で中堅/中小企業が採用したものが多い。オープンシステム、ERP、Wi-Fiなど多くのITソリューションがこのような流れを経て利用が拡大してきた。クラウドも同様に、数年後には中堅/中小企業も広く利用することになる可能性が高いといえよう。