変化を求められるIT部門に求められる変化とは
必要となるマーケティング機能とは
マーケティング機能の導入のためのステップとは
ビジネスにおけるITの重要性が増した現在、IT部門はユーザー部門や経営者を顧客と見なしたマーケティング機能を持つことが求められている。しかし、現状マーケティングを意識するIT部門は稀である。本稿ではIT部門がマーケティング機能を導入するためのステップを提示する。
構成
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これからのIT部門の姿
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必要となるマーケティング機能とは
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マーケティング機能の導入ステップ
- 結論
変化が期待される企業ITの役割
グローバル競争の激化、少子高齢化による先行きの不透明なビジネス環境の中、これまでの延長線上の戦略では成長が見込めないという閉塞、さらにはこのままでは生き残れないという危機から、何らかのブレイクスルーを求める機運が高まっている。一方、IoT技術の進展やスマートデバイスの浸透といったテクノロジの進化が、ビジネスの最前線でITを活用する可能性を飛躍的に拡大しつつある。また、クラウドサービスの台頭は、事業部門が独自にIT導入を推進する際のハードルを大きく下げることに寄与している。
こうした背景から、企業ITの役割も変化している。従来は、メインフレーム時代から継続されているITインフラを中心とした安定的かつ確実にビジネスの仕組みを支える道具としてのIT、そして各種のアプリケーションにより、業務を効率的かつ正確に実行する仕組みとしてのITが主な役割であった。しかし、昨今では、既存ビジネスの効率化や対応力向上のためだけでなく、ビジネスモデルの転換、新規ビジネスの創出、業界構造の変革といったデジタルイノベーションを実現するためにITを活用しようとしており、ITとビジネスはこれまで以上に密に結合し、ビジネスとしてのITの役割が期待されている。さらに、ITを活用して構築したビジネスやシステムをクラウドなどの形態で社外に向け新たなビジネスとして提供し、ITそのものをビジネス化する先進的なユーザー企業も登場している。