なぜロボ・アドバイザーが注目されるのか
ロボ・アドバイザーはどのような場面で利用されているのか
今後ロボ・アドバイザーで何ができるのか
金融業界は現在、ロボ・アドバイザーによる個人投資家へのサービス提供が進んでおり、対面営業を代替する新しい潮流となろうとしている。ロボ・アドバイザーの動向を紹介するとともに、ロボ・アドバイザーの今後の展望をまとめる。
構成
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ロボ・アドバイザーとは
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ロボ・アドバイザーの動向
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ロボ・アドバイザーの効果
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ロボ・アドバイザーの可能性
- 結論
ロボ・アドバイザーの定義
「ロボ・アドバイザー」とはコンピュータプログラムが個人投資家に投資手法を提示するサービスのことで、日本では2015年ごろから注目され始めた。フィンテックの代表的なサービスの1つで、金融分野において最新ITを用いて、ベンチャー企業が市場を主導しているという特徴を持つ。
個人投資家が投資する市場として最も有力な市場が証券市場であるため、現時点ではロボ・アドバイザーの活躍はほぼ証券業に限定されているが、部分的には銀行業も該当する。ロボ・アドバイザーの投資アルゴリズムには、従来の投資手法をプログラム化したものに加えて、人工知能やビッグデータなどの最新技術が用いられている。ビッグデータとして用いるデータには、証券取引所のデータ以外に、SNS(Social Networking Service)上の発言内容も利用され始めている。サービスを主導してきたベンチャー企業の代表格としては、海外ではBetterment社とWealthfront社、日本ではお金のデザインとウェルスナビがあげられる。特にお金のデザインは、2016年から既存の金融機関と連携する動きを見せている。
次頁からロボ・アドバイザーに関する動向や今後の展望を解説していく。
なおロボ・アドバイザーのロボは、物理的な機械を指しているわけではなく、コンピュータプログラムが人に代わって自動的に応答することから命名されたと考えられる。この自動的に応答するシステムについては、金融従事者以外のIT関係者においても参考となるだろう。