グループワイドで共通ITのシェアードサービス化を図ることによるコスト効率の向上、また、破壊的イノベーターに対する自社ITのアドバンテージの訴求に向けた「IT as a Service」が大手企業を中心に浸透しつつある。本稿では、ITサービスのグループ展開に焦点を当てて、その動向と今後のあり方を解説する。
本稿では、ITaaS(IT as a Service)の動向について紹介しつつ、その展開手法を解説する。ITaaSは、グループIT戦略を推進する大手企業のIT部門、あるいはIT子会社の経営/事業企画部門にとって重要なテーマであるが、その推進プロセスや展開手法に課題を抱えるケースが少なくない。ポイントや留意点を踏まえた実践的なITaaS展開のヒント集として本稿を役立てていただきたい。まずは、大手企業にITaaSが普及する背景を説明する。その前段で、そもそも企業ITに期待される役割とは何なのかを見て行きたい。