企業ITに関わる技術をどのように評価すべきか
2020年に向けて注目すべき技術分野とはどこか
各分野における技術動向はどのようになっているのか
今日のIT市場では新技術の台頭や既存技術の衰退など技術の変遷が著しい。こうしたなか2020年へ向けて、どの技術を導入すべきかは、企業ITの従事者にとって大きな関心事である。本稿では、最新の需要調査に基づいて、技術の将来動向を解説する。
技術の栄枯趨勢
現代社会では、あらゆるビジネスにおいて技術革新が進み、標準的な技術の世代交代は日常的となっている。IT市場においてこの傾向は特に顕著であり、新出の技術が急速に市場に浸透したり、事実上の標準となったりすることが珍しくない。一方で、汎用化すると目されていた新技術が普及段階で中倒れする、長年標準であった枯れた技術のライフサイクルが終焉するといったことも起こり得る。このような技術トレンドは、ビジネス優位性、業務効率、コスト抑制などの観点から、ITを活用するあらゆる現場に影響を及ぼす。可能な限り技術の栄枯趨勢を読み解いて採用や継続の可否を判断することは、企業のIT組織における重要な役割のひとつに他ならない。
技術の評価指標にはさまざまなものがあるが、それらを知ることで技術トレンドを把握できる。例えば、調査会社の提供する市場規模推移を見ることで、企業が利用する特定の製品やサービスの有望性を評価できる。また、専門技術者やアナリストの見解を得て、技術の成熟度や標準化動向を把握することも有用だろう。本稿では、そうした評価指標のひとつとして、需要動向の調査結果を紹介しよう。世の中の企業がいかなる技術を将来採用するかを知ることで、自社の技術標準化などの判断材料の一助として頂きたい。