ワークスタイル変革がなぜ求められるのか
ワークスタイル変革に対する国内企業の取り組みとは
企業はワークスタイル変革にどのように取り組むべきか
次世代のワークスタイルにおいてIT活用が重要な役割を担うことは疑いようがない。しかしそれは、デバイスやツールの導入だけで実現できるわけではなく、組織運営、意思決定プロセス、人事評価、雇用・就労形態などに関する制度や手法など改革しなくてはならないことが多岐にわたる。企業は広範な視野で将来の働き方を描くことが求められる。
構成
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ワークスタイル変革とは
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ワークスタイルの現状と課題
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ワークスタイル変革へのアプローチ
- 結論
ワークスタイル変革が求められる背景
これまでも多くの企業において、ペーパーレス化、会議の円滑化やテレビ会議の導入、フリーアドレスの実施、電話のIP化、コミュニケーション活性化のためのグループウェアや社内SNSの展開など、働き方やその環境を見直すプロジェクトは長年にわたって推進されてきた。そして「ワークスタイル」という単語を冠した書籍は1990年代から多数出版されている。しかし、依然としてホワイトワーカーの生産性向上やオフィス環境の改善に対する取り組みは道半ばといわざるを得ない。
多くの企業における組織や働き方は、高度経済成長期の枠組みを維持したままとなっており、これからの競争環境に適したものとはいえない。
一方ここにきて、ビジネスのグローバル化、雇用のダイバーシティ、組織のトライブ化(ITR Review 2013年6月号「未来型組織を支える企業ITとは」#R-213065)といった組織運営や働き方の前提となる、より広範な戦略課題への対応が迫られている。さらに、タブレット端末、クラウド型PBX、ビデオチャットやライブミーティング、オンラインストレージといった新たなコミュニケーションやコラボレーションの手段を提供する技術が矢継ぎ早に台頭してきている。いうまでもなく、これらの機器やサービスを導入するだけでワークスタイルを変革できるわけではない。しかし、こうした技術革新と企業のニーズの高まりを受けて、積年の課題であるワークスタイル変革を検討するに、機が熟したといえるのではないだろうか。