1. TOP
  2. レポート・ライブラリ
  3. データメッシュとデータファブリックの補完関係 - 大規模組織におけるデータマネジメントの課題と対策 -


ITR Review

コンテンツ番号:
R-226091
発刊日:
2026年9月2日

データメッシュとデータファブリックの補完関係

大規模組織におけるデータマネジメントの課題と対策

著者名:
平井 明夫
データメッシュとデータファブリックの補完関係のロゴ画像

多数の事業部門やグループ会社を抱える大規模組織では、データガバナンスを強化するとデータ利用の自由度が制限される一方で、データ民主化を推進するとデータ品質やセキュリティの統制が困難になる、というデータマネジメント上の課題がある。データメッシュとデータファブリックはいずれも散在するデータの管理・活用のためのアプローチであり、併用することでデータガバナンスとデータ民主化の両立を図ることができる。本稿では、両者の違いを整理し、それぞれの役割と補完関係を解説する。

データメッシュとデータファブリックの違い

データメッシュとデータファブリックは、いずれも企業内に散在するデータを管理し、活用するためのアプローチであるが、前者は組織や企業文化の面から、後者は技術やアーキテクチャの面から課題に取り組むものである。

データメッシュは、中央のIT部門(データ基盤チーム)にデータ管理を全て任せるのではなく、業務を最もよく理解している各事業部門(ドメイン)が自らの責任でデータを管理・公開するという組織論に基づいたデータマネジメント手法である。データメッシュの実現に必要な要件は、次の3つである。

  • ドメイン指向のデータ所有(Domain Ownership):業務を理解している現場のチームに、データパイプラインの構築やデータ品質の維持を行うスキルと責任をもたせること。

  • データプロダクト(Data as a Product)の思想:データを「社内の他部門ユーザー(顧客)に提供する製品」として扱い、ドキュメントやAPI、利用規約を整備すること。

  • 連邦型ガバナンス(Federated Computational Governance):データの所有は各部門に任せるものの、「セキュリティ基準」「命名規則」「個人情報の扱い」などの全社共通ルールは中央のIT部門が定義し、それをデータカタログなどで自動的に監視・適用すること。

データファブリックは、オンプレミス、クラウド、SaaSなど、社内のあらゆる場所に点在するデータソースを、メタデータを介して論理的に統合するデータマネジメントのアーキテクチャである。

図1に、データメッシュとデータファブリックの違いをまとめた。データファブリックは、物理的に一箇所(データレイクなど)に集めなくても、データカタログ、アクセス制御、データ連携などの機能を組み合わせ、分散したデータを論理的に統合することで、既存のシステム環境を大きく変えることなく、メタデータ管理の自動化によってデータ管理者の負担を軽減するという効果をもたらす。

図1.データメッシュとデータファブリックの違い

図1.データメッシュとデータファブリックの違い
出典:ITR

ITR 著作物の引用について

ITRでは著作物の利用に関してガイドラインを設けています。 ITRの著作物を「社外利用」される場合は、一部のコンテンツを除き、事前にITRの利用許諾が必要となります。 コンテンツごとに利用条件や出典の記載方法が異なりますので、詳細および申請については『ITR著作物の引用ポリシー』をご確認ください。

TOP