自社の理想像についてビジョンを明確化することで、ビジネスドメインを拡張し、事業拡大を実現している企業は少なくない。例えば、ServiceNow社は、もともとITサービス管理ツールベンダーであったが、強みであるワークフローエンジンのビジネス対象を、IT部門にとどまらず、総務部門や人事部門などバックオフィス全般へと拡大した。さらに、ツール開発で培った開発プラットフォームを商品化することで、ローコード/ノーコード開発市場にも参入し、成功を収めている。また、Amazon社も、オンライン書店として創業後、”Everything Store”を標榜し、Eコマースプラットフォームとして急成長を遂げた。その後、「価格の安さ」「品揃えの豊富さ」「利便性の高さ」をITインフラ領域に拡張することで、Amazon Web Services(AWS)を立ち上げ、IT業界の構造そのものも変革した。