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ITR Review

コンテンツ番号:
R-225057
発刊日:
2025年5月21日

クラウド時代のアプリケーション評価指標とステップ

アプリケーションポートフォリオ管理ツールの視点活用

著者名:
三浦 竜樹
クラウド時代のアプリケーション評価指標とステップのロゴ画像

AIを業務アプリケーションに適用するなど、企業におけるDXの取り組みが加速するなかで、クラウドサービスを利用した業務アプリケーションの導入が増加している。これに伴い、企業ではアプリケーション資産全体を可視化し評価することが一層困難になっている。本稿では、企業におけるアプリケーション資産評価の重要性と、そのための評価指標やステップを示す。

アプリケーション資産評価の重要性

企業におけるアプリケーション資産とは、業務遂行、顧客への価値提供、事業目標達成に必要なソフトウェア、システム、それらに関連するデータや構成要素を指す。これには、自社開発のカスタムアプリケーション、市販のパッケージソフトウェア、クラウドベースのサービスなどが含まれる。ITRが実施した『IT投資動向調査2025』によると、2025年度はIT予算を増額する国内企業の割合が過去最多を記録した。また、DXや生成AI関連ソリューションへの投資も活発化していることがわかった。こうした新規投資案件においては、アプリケーションがもたらすビジネス価値や導入効果、採用技術、セキュリティリスク、コストを事前に評価している企業が多いと推察される。しかし、導入し運用フェーズに入ると、定期的にアプリケーションの評価を実施している企業は少ないのが実情である。昨今、注目されている生成AIは既存アプリケーションと連携することで、アプリケーションの機能性やビジネス価値を向上させることが期待されている。このため、生成AI基盤の導入検討に伴い、既存のアプリケーション群の適切な評価と管理を行うことが重要となる(図1)。

図1.アプリケーション資産評価とIT投資管理

図1.アプリケーション資産評価とIT投資管理
出典:ITR

アプリケーション資産評価の目的は、企業が保有するアプリケーションのポートフォリオの全体像を可視化し、それぞれのアプリケーションがビジネスにもたらす価値と、コスト、セキュリティ、およびビジネス上のリスクの度合いを把握することにある。これを行うことで、機能が重複しているもの、利用頻度が極めて低いもの、技術的に老朽化しているもの、ビジネス価値が低いものを特定し、統合、改善、刷新、廃止といった対応策を検討・実施できるようになる。また、知識や経験不足から、活用が計画どおりに進んでいない生成AIなどの先進的なアプリケーションがあれば、ユーザー教育やトレーニングを実施することで、期待されるビジネス価値を実現することが可能となる。

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