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ITR Review

コンテンツ番号:
R-225023
発刊日:
2025年2月5日

Data Flow Hubの設計

データドリブンな経営基盤の設計原則

著者名:
浅利 浩一
Data Flow Hubの設計のロゴ画像

データドリブンな経営を継続的に推進していくためには、さまざまなシステムに散在するデータを“つなぎ”“共有する”ための基盤を確立しなければならない。本稿では、経営の情報源となるデータの源流システムとデータフローを一元的に管理できるData Flow Hub基盤の実装において、ポイントとなる設計原則について述べる。

Data Flow Hub設計の3要素

Data Flow Hubは、マスタデータHubとデータHubから構成される。マスタデータHubはMDM(Master Data Management)構築の一貫で設計され、データHubはシステム連携、システム統合、およびシステムの非機能設計におけるインタフェース、インテグレーション設計で詳細化される(ITR Review『Data Flow Hub基盤によるデータドリブン経営の推進』R-224113)。Data Flow Hub基盤は、スクラッチ開発することも不可能ではないが、多くの企業では以下のようなツールやソリューションをベースに設計を進めることになる。

マスタデータHub:ERPを導入する企業では、ERPベンダーが提供するMDMツールを主体とするが、ERP以外のシステムが基軸となる場合は、iPaaSベースのMDM機能、あるいはMDM専用のツールを選択し設計を進める。ただし、ERPのマスタデータをコントロールする機能の幅広さや深さは、当然ながらERPベンダーのMDMのほうが豊富である。そのため、ERPが基軸となる企業では複数のMDMツールを導入することも珍しくない。具体的には、ERPベンダーのMDMに、iPaaSベースのMDM機能、あるいはMDM専用ツールを組み合わせることが多い。

データHub:マスタデータと同様に、ERP内のインテグレーション(複数のERPインスタンス、ERPのPaaS環境、ERPベンダーが提供するSaaSソリューションなどとの連携)ではERPベンダーが提供するiPaaS、その他のシステム連携では専業ベンダーのiPaaSが検討されることが多い。ただし、iPaaSを単一に絞る方針の企業は、専業ベンダーのiPaaSを選択することが一般的である。

アナリティクスデータ:SOI(Systems of Intelligence)は、Data Flow Hub基盤からデータを受け取る側のシステムであるが、昨今、インテグレーションの選択肢として、Denodo Technologies社のDenodo Platformといった、データ仮想化、あるいはデータ仮想統合に特化したツールを検討するケースが増えている。また、iPaaSやERPベンダーも同様のツールを提供している。さらに、一括でデータを集約・変換・統合するツールとしては従来からのETLも存在し、インテグレーションが複雑化・多様化してきている。

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