2024年2月に実施した調査から、国内企業における人材管理分野でのAIの利用状況とシステム基盤の整備状況に関するデータを紹介する。
調査概要
調査名 |
人材管理におけるAI利用に関する動向調査 |
実施期間 |
2024年2月19日~2月20日 |
調査方法 |
ITRの独自パネルを対象としたインターネット調査 |
調査対象 |
従業員数100名以上の国内企業の人事部門またはIT部門に所属する人材管理の企画・運営の関与者 |
有効回答数 |
319件 |
企業規模別に見る利用状況
ITRは、人材管理におけるAI利用の動向を明らかにする目的で、2024年2月に、国内企業で人材管理の企画・運営に関与する者に対し調査を行った。まずは、人材管理におけるAIの利用状況を全体および企業規模(従業員数)別に見てみよう(図1)。
出典:ITR『人材管理におけるAI利用に関する動向調査』(2024年2月調査)
全体での結果は、35%の企業が人材管理にAIを「すでに利用しており、何らかの効果が出ている」とした一方で、「すでに利用しているが、まだ効果は出ていない」との回答も25%に上った。このことから、6割の企業が人材管理にAIを利用しているものの、実際に効果が出ている企業はその半数強にとどまることがわかった。
企業規模別に見ると、おおむね従業員数の多い企業ほど利用が進んでいる傾向が見られるが、5,000人以上の企業と1,000~5,000人未満の企業を比較すると、両者の利用率(効果の有無を問わず、すでに利用している企業の割合)はほとんど差がないが、前者では利用企業の約7割で効果が出ているのに対して、後者では約4割にとどまった。一方、100~1,000人未満の企業は、利用率は他のセグメントよりかなり低いが、利用企業の約6割で効果が出ており、1,000~5,000人未満の企業のそれを大きく上回った。これらのことから、人材管理におけるAI利用は、従業員数の多い企業ほど進んでいるが、その効果が出ているかについては企業規模に比例しないことがわかった。