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ITR Review

コンテンツ番号:
R-224041
発刊日:
2024年4月2日

求められるデジタル推進力の強化

「世界デジタル競争力ランキング」に見る日本のポジション

著者名:
金谷 敏尊
求められるデジタル推進力の強化のロゴ画像

日本のデジタル競争力は世界的に見て比較的低い水準にあり、憂慮すべきことに年々そのポジションが後退している。本稿では、スイスのIMD(International Institute for Management Development:国際経営開発研究所)が主催する『世界デジタル競争力ランキング』の結果を紹介し、その評価結果から日本企業が今後注力しなければならない強化ポイントについて考察する。

日本の国際的競争力

日本は高度経済成長を遂げて、先進国として国際経済において重要な役割を担ってきた。G7やOECD(経済協力開発機構)などの主要国際機関のメンバーであり、今なお国際社会における影響力も大きい。かつては、トヨタのカンバン方式やソニーのウォークマンは、ビジネスイノベーションの好例として重宝され、世界のビジネススクールでケーススタディとして扱われた。企業のシニア層の中には、そのように活躍する日本企業の鮮烈なイメージをいまだに持つビジネスパーソンも多いだろう。1989年の企業の世界時価総額ランキングでは、上位10社中、実に7社が日本企業であった。しかし、30年超が経過し、日本の経済的ポジションは大きく後退する。2023年3月末日時点で、時価総額上位50社の中に日本企業は1社も存在しない(1989年はダイヤモンド社のデータ、2023年はWright Investors’ Service社のデータが出所)。

今日、円安が加速し、国内の経済状況はさらに厳しさが増している。2024年2月15日には、2023年のドル建ての名目国内総生産(GDP)は日本がドイツに抜かれ、世界4位に後退した(日本経済新聞より)。スイスのIMDが発表した「2023年版世界競争力ランキング(World Competitiveness Ranking 2023)」によれば、日本の競争力は64ヵ国・地域の中で35位と過去最低の水準となった。国際的に見ると、20世紀末の華々しいイメージとはかけ離れた、高い競争力を維持できていない日本の現実を直視する必要がある。

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