1. TOP
  2. レポート・ライブラリ
  3. 生成AIモデルの選び方 - 効果とリスクの両面に着目した評価を -


ITR Review

コンテンツ番号:
R-224032
発刊日:
2024年3月5日

生成AIモデルの選び方

効果とリスクの両面に着目した評価を

著者名:
舘野 真人
生成AIモデルの選び方のロゴ画像

生成AIサービスの土台となる基盤モデルの開発競争が激化している。ユーザー企業は今後、数ある選択肢の中から自社の目的にかなう基盤モデルを正しく選ぶことが求められることになる。本稿では、基盤モデルを選定する際に考慮すべきポイントを紹介する。

本格化する国産基盤モデルの開発競争

2023年は、ChatGPTの登場により、生成AIサービスと、その土台となる大規模言語モデル(LLM)などの基盤モデルの能力の高さが、一般の人々の間にも広く知れ渡った1年であった。海外では、ChatGPTの開発元である米国のOpenAI社を筆頭に、米Anthropic社、カナダのCohere社などの生成AI専業ベンダーが多額の資金調達を行い、企業価値10億ドル以上のユニコーン企業が新たに複数誕生した。また、Google社やAmazon Web Services社などの大手クラウドベンダーも独自の基盤モデルの開発を強化し、生成AI分野での覇権争いは熾烈さを増している。

他方、この分野では海外勢に対して後れをとっていた国内ベンダー各社も、昨今は独自のLLM開発を精力的に進めている(図1)。すでに提供済みのモデルもあるが、主要な商用サービスが出揃うのは2024年春以降とみられる。基盤モデルの性能や精度を測る目安となるパラメータ数の規模は70億~130億となり、海外製モデルと比べると見劣りするものの、その分、日本語に特化したデータセットでの学習を行うことなどによって、国内ユーザーが求める性能を実現することを目指している。

図1.国内ベンダーの生成AI基盤モデル開発の動き

図1.国内ベンダーの生成AI基盤モデル開発の動き
出典:公開情報を基にITRが作成

開発競争が進めば、当然ながら、各社とも独自の特色を打ち出すことになるため、ユーザー企業にとっては基盤モデルの選択肢が格段に広がることとなろう。今後は、異なる特性を持つ基盤モデルを用途に応じて使い分ける企業が増加すると予想される。

ITR 著作物の引用について

ITRでは著作物の利用に関してガイドラインを設けています。 ITRの著作物を「社外利用」される場合は、一部のコンテンツを除き、事前にITRの利用許諾が必要となります。 コンテンツごとに利用条件や出典の記載方法が異なりますので、詳細および申請については『ITR著作物の引用ポリシー』をご確認ください。

TOP