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ITR Review

コンテンツ番号:
R-224013
発刊日:
2024年1月11日

データドリブン経営とFP&A

事業コントローラーの組織化と再編

著者名:
浅利 浩一
データドリブン経営とFP&Aのロゴ画像

FP&A(Financial Planning & Analysis)を、単なる予算管理や管理会計の手法やツールとして認識すると、その本質を見失う。データを活用した経営や意思決定の多くの局面において、経理や財務を含めた総合的かつ責任ある判断を実施していくうえで、企業は、日本固有ともいえる経営企画部門の再編を含めたCFO体制の強化を検討すべきである。

データドリブン経営とFP&A

デジタルが浸透する社会では、仮説を素早く検証するアジャイルな意思決定と、ビジネスの最前線となる現場での自律的な行動が重要となってくる。ビジョンと目標を全社で共有したうえで、客観的でズレのないデータに基づいて、経営から現場に至るまで自律的に意思決定できるデータドリブンな経営は、不確実性の高い時代においてこそ求められる。経営者は、その重要性を十分に認識しており、データドリブン経営の必要性などの説明はすでに不要となってきている。

データドリブン経営においては、そのほとんどの局面で鮮度および一貫性の高い経理・財務データが欠かせない。また、当然ながら、過去の業績を構成する売上げ、在庫、原価、一般管理費・経費のみならず、資本、資産、投資、キャッシュ、資金調達・運用といった未来の事業に関するデータも含めてプランニングとモニタリングをしていかねばならない。これらは、P/L(損益計算書)やB/S(貸借対照表)に加えて、2000年3月期から開示が義務づけられたC/F(キャッシュフロー計算書)を発端とする一連の会計制度改革で強化されてきた。一方、ファイナンス理論の高度化が進んだ海外では、日本の会計制度改革に約10年先行して、CFO組織の強化が図られるとともに、「FP&A」の役割が明確化されていった。

FP&Aは、事業管理・コントロールのための機能や組織を指し、「コントローラー」という名称も海外では一般化している。そして、FP&Aは、過去の業績コントロールだけでなく、経営・事業戦略を支援しつつ、経理・財務責任を持つ役割として、CFO機能に組み込まれてきた、という経緯がある。

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