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ITR Review

コンテンツ番号:
R-223123
発刊日:
2023年11月24日

ソブリンクラウドとは何か

データ主権のためのクラウド

著者名:
甲元 宏明
ソブリンクラウドとは何かのロゴ画像

データ主権の獲得を目的とするソブリンクラウドに対する注目度が増している。GDPR(一般データ保護規則)などの法規制に対応するために必要となる可能性が高いが、企業は対症療法的にソリューションを選定するのではなく、自社のクラウド戦略/アーキテクチャを明確にしたうえでソブリンクラウドを検討すべきである。

国内企業におけるクラウドおよびオンプレミスの活用動向

はじめにクラウドおよびオンプレミスの活用動向を確認する。図1に年間売上高300億円以上の国内企業を対象に、パブリッククラウド/プライベートクラウド/オンプレミスへの投資計画を尋ねた結果を示す。2023年度の投資を2022年度(調査年度)から拡大するとした企業(「20%以上の増加」「10~20%未満の増加」「10%未満の増加」の合計)の割合は、パブリッククラウドが最も高く、次いでプライベートクラウドの順となった。オンプレミスは最も低い結果となったが、クラウドに注目が集中するこの時代にも、オンプレミスに投資する企業が過半数に上ることがわかった。ITRの別の調査では、オンプレミス系ソリューション(サーバ、ストレージなど)に対する新規投資率が低い結果が出ていることから、図1のオンプレミスへの投資は現行システムの運用保守が主な用途であると推測される。

図1.パブリッククラウド/プライベートクラウド/オンプレミスへの2023年度投資計画

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出典:ITR『クラウド活用動向調査2023』(2023年2月調査)

図2には、パブリッククラウドからオンプレミスまたはプライベートクラウドに移行した/する予定を持つ企業に、その移行理由を尋ねた結果を示した。最も多くの企業があげたのは「ITインフラ運用コスト削減」であり、次いで「セキュリティ強化」「可用性向上」であった。これとは逆に、オンプレミス/プライベートクラウドからパブリッククラウドへ移行した/する企業の理由では、1位は「セキュリティ強化」、2位が「ITインフラ運用コスト削減」であった。つまり、「セキュリティ強化」と「ITインフラ運用コスト削減」のために企業はそれぞれパブリッククラウドを選択したり、オンプレミス/プライベートクラウドを選択することがわかった。

図2.パブリッククラウドからオンプレミスまたはプライベートクラウドに移行する理由

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出典:ITR 『クラウド活用動向調査2023』(2023年2月調査)

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