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ITR Review

コンテンツ番号:
R-223122
発刊日:
2023年11月24日

なぜFinOpsに取り組むのか

クラウドコスト管理のベストプラクティス

著者名:
入谷 光浩
なぜFinOpsに取り組むのかのロゴ画像

クラウドサービスの利用拡大に伴い、クラウドのコスト管理の課題が顕在化している。企業全体でクラウドのコストを最適化し、ビジネス価値を最大化するためのプラクティスであるFinOpsへの取り組みが、欧米企業を中心に注目されている。本稿では、FinOpsが求められている背景を説明し、FinOpsの概念とフレームワークについて述べる。

クラウドコスト管理の難しさ

近年、企業におけるクラウドサービスの導入が急速に拡大し、オンプレミスからクラウドへの移行が加速している。これにより、ITリソースを柔軟かつ迅速に拡張しながら利用することが可能となるが、これは同時にクラウドのコスト管理に課題をもたらしている。従来のITの購入モデルでは、ハードウェアやソフトウェアのコストは予測が可能で、ある程度固定化することができた。一方、クラウドサービスは「Pay-as-you-go」モデルを採用しており、使用した分だけ課金されるため、コストが変動しやすく予測が難しくなっている。さらに、クラウドの利用が部門ごとに異なることが、コストの把握をより一層難しくしている。実際、ITRの調査では、クラウドサービスの支出が計画した予算を超えてしまっている企業が44%にも上り、予算を20%以上も超過した企業は23%となった(図1)。

図1.直近3年間のクラウドサービスにかかる支出の傾向

図1.直近3年間のクラウドサービスにかかる支出の傾向
出典:ITR『システム運用管理の実態調査』(2023年8月調査)

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