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ITR Review

コンテンツ番号:
R-223121
発刊日:
2023年11月24日

生成AIガイドライン策定の要諦

適正なAI活用を促すために

著者名:
舘野 真人
生成AIガイドライン策定の要諦のロゴ画像

ChatGPTの登場により、大量の学習データを基に新たなコンテンツを生み出す生成AI(ジェネレーティブAI)サービスが注目されている。最新のAIサービスを業務に取り入れるうえでは、望ましい利用法や注意事項の文書化が不可欠である。本稿では、生成AIガイドラインを策定するうえでのポイントを解説する。

安直な一律禁止がもたらす弊害

ChatGPTの一般公開により、にわかに生成AIサービスに注目が集まった2023年だが、国内企業に勤務する人が実際に業務で生成AIサービスを利用している割合は同年7月の時点で17%と少数派である(ITR Review 2023年10月号『ITR User View: 生成AIサービスの利用動向』#R-22310U)。企業のなかには、生成AIサービスの利用を全面的に禁止する方針を打ち出しているところも少なくない。

新たなテクノロジやサービスが世の中に登場した初期段階で、その利用を一律で禁止するといった企業の動きが見られるのは、今に始まったことではない。かつてのクラウドサービスやスマートフォンもそうであったし、コロナ禍を経た現在では多くの組織で定着したリモートワークも、かつては禁止する企業のほうが圧倒的に多かった。

しかし、特定のテクノロジやサービスについて、その効果やリスクを客観的に評価することなく一律禁止とすることは、決して健全とはいえない。安易な禁止は、陰に隠れたIT利用(いわゆるシャドーIT)を助長し、ガバナンスの観点からはむしろマイナスに作用するからである。

国内外を問わず、多くのベンダーが生成AIサービスの開発でしのぎを削っている今日の状況を鑑みれば、今後新サービスが続々と登場するのは明らかであり、活用事例も相次いで報告されることとなろう。IT管理者には、「どのような条件であれば、生成AIを自社で効果的に活用できるか」というプラス思考でガイドラインを整備し、その内容を定期的に見直しながら運用することを強く推奨したい。

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