1. TOP
  2. レポート・ライブラリ
  3. 非地上系ネットワーク(NTN)とは何か - 宇宙に広がるネットワークのイノベーション -


ITR Review

コンテンツ番号:
R-223091
発刊日:
2023年9月1日

非地上系ネットワーク(NTN)とは何か

宇宙に広がるネットワークのイノベーション

著者名:
甲元 宏明
非地上系ネットワーク(NTN)とは何かのロゴ画像

衛星コンステレーション・サービスが本格化し、非地上系ネットワーク(NTN)に対する期待が高まっている。国内においても、ビジネスイノベーションや新規市場開拓に積極的な企業はNTNを利用するビジネスの検討を開始すべきである。

Starlinkで注目が集まる「衛星コンステレーション」

ネットワークの世界にブレークスルーが起きている。それは、米Space X社が2021年に提供を開始した衛星通信サービスであるStarlinkが発端となっている。従来の衛星通信サービスは高価で帯域が非常に狭くインターネット接続には別の通信サービスが必要であったが、Starlinkは高速インターネット通信を地球上のほぼ全域に低価格で提供している。国内においても2022年にサービス提供が開始され、LTE/3Gが利用困難な僻地でも通信可能であり、個人での導入も多い。

Starlinkに続いて、2023年末にサービス開始予定のOneWeb(英OneWeb社)や、2024年後半にサービス開始予定のKuiper(Amazon社)にも注目が集まっている。Starlink、OneWeb、Kuiperは、「衛星コンステレーション」サービスとして分類される。これは、地球低軌道(Low Earth Orbit:LEO)に打ち上げた多数の小型非静止衛星を連携させた衛星通信サービスを指す。人工衛星機体や構成部品の小型軽量化および宇宙ロケット打上げ費用の低価格化により、小型人工衛星を用いた商用サービス化が比較的容易になっていることが背景にある。

図1にITRが実施した『IT投資動向調査2023』(2022年8~9月調査)から、代表的インフラ系テクノロジへの投資意欲を示した。同調査によると、「衛星コンステレーション」を2023年度に新規導入する企業は8%弱とまだ少ないが、2023年度の投資増減指数は「5G(パブリッククラウド)」「IoT」「SaaS」「VR/AR/MR」に次いで高く、今後国内でも衛星コンステレーション市場が拡大することが期待できる。Apple社はiPhone 14で衛星コンステレーション通信を用いたSOS機能を提供しており(2023年7月時点では日本未提供)、楽天モバイルも衛星コンステレーションとスマートフォンとの直接通信を予告している。今後さまざまな産業で衛星通信サービスに対する需要が拡大すると思われる。

図1.代表的インフラ系テクノロジへの投資意欲

図1.代表的インフラ系テクノロジへの投資意欲
出典:ITR『IT投資動向調査2023』

ITR 著作物の引用について

ITRでは著作物の利用に関してガイドラインを設けています。 ITRの著作物を「社外利用」される場合は、一部のコンテンツを除き、事前にITRの利用許諾が必要となります。 コンテンツごとに利用条件や出典の記載方法が異なりますので、詳細および申請については『ITR著作物の引用ポリシー』をご確認ください。

TOP