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ITR Review

コンテンツ番号:
R-223084
発刊日:
2023年8月1日

不連続型イノベーションのDX施策

将来の外部環境を起点とするアイデア創出法

著者名:
内山 悟志
不連続型イノベーションのDX施策のロゴ画像

新規ビジネスの創出やビジネスモデルの変革を行う「不連続型イノベーション」を創出する際には、漸進型イノベーションにも増して常識を打破するような大胆な発想が必要となる。そのためには、現状の課題や自社の強みではなく、将来視点の外部環境の変化を起点とした発想が求められる。

不連続型のイノベーションの進め方

具体的なDXの実践には、業務の高度化や顧客への新規価値の創出を行う「漸進型イノベーション」と、新規ビジネスの創出やビジネスモデルの変革を行う「不連続型イノベーション」の2つのタイプがある。前者については、身近なところから始めるデジタル化による業務変革の進め方とアイデア創出のポイントを述べた(ITR Review 2023年3月号『漸進型イノベーションのDX施策』#R-223034)。一方、後者ではより一層大きな発想の転換が必要となる。本稿では、ITRが多くの企業で実践している不連続型イノベーションのアイデア創出の手法を紹介する。

これまで、ビジネスや業務でテクノロジを活用する際は、ビジネス上の課題やニーズに対して、その解決策および実現策としてテクノロジを当てはめるという「問題解決型」のアプローチが主流であった。具体的には、現状(As-Is)分析(業務分析など)に基づいて、理想像(To-Be)とのギャップを特定し、テクノロジによってこのギャップを埋める解決策を考えるという方法だ。しかし、綿密なAs-Is分析を行ってもそこからTo-Be像が見えてくるわけではない。結果として、現状の延長線上の解決策(改善策)しか浮かび上がらないということになる。従来の業務改善に対しては問題解決型のアプローチが有効であったが、不連続型イノベーションの発想には不向きといわざるを得ない。不連続型イノベーションでは、これまでの業務改善や漸進型イノベーション以上に発想の転換が必要であり、未来志向の「問題発見型」のアプローチが有効である。問題発見型のアプローチでは、未来における外部環境を起点とすることがポイントとなる。そこでITRでは、将来視点の外部環境の変化を起点としたアイデア創出プロセスを考案し、多くの企業に対してワークショップなどを通じて長年実践している(図1)。

図1.不連続型イノベーションのアイデア創出プロセス

図1.不連続型イノベーションのアイデア創出プロセス
出典:ITR

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