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ITR Review

コンテンツ番号:
R-223082
発刊日:
2023年8月1日

メインフレームモダナイゼーションの潮流

マイグレーションの先を見据えたモダナイゼーション・ジャーニー

著者名:
入谷 光浩
メインフレームモダナイゼーションの潮流のロゴ画像

ベンダーの撤退やCOBOLエンジニアの不足によりメインフレームの将来の不透明さが増しており、メインフレームからの脱却は急務となっている。メインフレームの移行にあたっては、単なるマイグレーションで終わらせるのではなく、デジタルビジネスに適合していくためのモダナイゼーションを見据えて検討することが重要となる。本稿では、モダナイゼーションに向けたプロセスとソリューションを紹介する。

レガシーシステムの限界が見えてきた

メインフレームとCOBOLによって開発されたシステムが、まだ現役で稼働している企業は多い。20年あるいは30年、大きなビジネスロジックの変更もなく、細かいソースコードの修正や機能追加を繰り返しながら、企業の基幹業務を担っている。しかし今、そのメインフレームシステムの限界が見え始めてきている。

2022年、富士通がメインフレームの販売を2030年度末で終息し、保守サポートを2035年度で終了することを発表した。日立製作所は、すでにメインフレームのハードウェアの自社開発を終了しており(OSの開発は継続)、国内メインフレームベンダー2社がハードウェア開発から撤退することになる。この2社の決定は、メインフレームユーザーにとって継続性と将来性に大きな不安をもたらすものとなっている。

さらに、COBOLなどの古いプログラミング言語を扱えるエンジニアの不足が、メインフレームの問題を一層深刻化させている。COBOLエンジニアの年齢層の中心は50歳代後半から60歳代であることから、COBOLエンジニアの退職が続いている。一方、若い年齢層のITエンジニアは、将来性の乏しさからCOBOLを学ぶ意欲は薄く、COBOL離れが加速している。

これらのことから、今後、メインフレームシステムを維持していくことは、これまで以上に困難になると見られる。保守を行えるベンダーとエンジニアは少なくなり、ブラックボックス化しているシステムはビジネスのデジタル化を阻むであろう。さらに高額な運用保守費用がIT予算を圧迫することで、企業のDX推進の妨げになることも考えられる。利用企業は、いよいよメインフレームからの脱却が避けられない状況になっている。

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