1. TOP
  2. レポート・ライブラリ
  3. DXに向けた人材像の定義とスキル評価 - デジタルスキル標準をひな型とした事例 -


ITR Review

コンテンツ番号:
R-223072
発刊日:
2023年7月1日

DXに向けた人材像の定義とスキル評価

デジタルスキル標準をひな型とした事例

著者名:
内山 悟志
DXに向けた人材像の定義とスキル評価のロゴ画像

DXを推進するためには、専門性を持った人材の確保・育成が必要となる。しかし、全ての人材を自前で揃えることは容易ではない。自社が求める人材像を明確に定義し、それに沿った人材育成および採用を行っていくことが求められる。また、スキルの可視化とモニタリングも重要となる。

DX推進人材の人材像の定義

多くの企業が、DXの推進に向けた人材のリスキリングや、従業員のデジタルリテラシー向上のための教育・研修などに取り組んでいる。人材の確保・育成にあたっては、中長期的な視点でDXに求められる人材像やスキル要件を明確に定義したうえで、それに合致した計画とプログラムを策定し、実行していくことが求められる。各企業が独自に、人材像、各人材像が果たすべき役割、必要とするスキル要件や習得すべき学習項目を定義することには大きな労力を要するため、経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表したデジタルスキル標準(DSS)をひな型として活用することが有効である(ITR Review 2023年6月号『デジタルスキル標準の活用に向けて』#R-223063)。本稿では、DX推進スキル標準(DSS-P)を活用してDX推進人材の人材像の定義とスキル評価の枠組みを構築した事例を基に、その適用方法を考えてみたい。

DSS-Pは、DXを推進する専門性を持った人材を対象としたスキル標準であり、主な人材をビジネスアーキテクト、デザイナー、データサイエンティスト、ソフトウェアエンジニア、サイバーセキュリティの5つに類型化し、それらを細分化した計15のロールを定義している。15のロールは網羅的であるが、一般的なユーザー企業がここで示された全てのロールを内部で確保することは容易ではない。現実的には、必要に応じて外部のコンサルタントやITベンダーの力を借りることになろう。そのため、DSS-Pの15のロールのうち、どれを内製化し、どれを外部に依存するかを明確にし、内部で確保・育成すべき人材像を絞り込むことが有効である。図1では、DSS-Pの15のロールと併せて、ITRが支援したある企業が選別したロールを示している。この企業では、A)各ロールを自社で確保・育成する、B)必要に応じて外部を活用する、C)基本的に外部を活用する、の3つに分類し自社のDX推進人材像を選別している。したがって、Cに分類されたロールは、自社で確保・育成する必要はなく、そのための教育プログラムも不要となる。

図1.自社が求める人材像の選別の例

図1.自社が求める人材像の選別の例
出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の資料を基にITRが加筆

ITR 著作物の引用について

ITRでは著作物の利用に関してガイドラインを設けています。 ITRの著作物を「社外利用」される場合は、一部のコンテンツを除き、事前にITRの利用許諾が必要となります。 コンテンツごとに利用条件や出典の記載方法が異なりますので、詳細および申請については『ITR著作物の引用ポリシー』をご確認ください。

TOP