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  3. DX実践フェーズにおけるシステム連携のポイント - 量産されるシステムの連携を最適化するiPaaSとは -


ITR Review

コンテンツ番号:
R-223071
発刊日:
2023年7月1日

DX実践フェーズにおけるシステム連携のポイント

量産されるシステムの連携を最適化するiPaaSとは

著者名:
水野 慎也
DX実践フェーズにおけるシステム連携のポイントのロゴ画像

企業が進めるDXは実践フェーズに入り、クラウド上に新しいシステムが多数構築され稼働している。しかしスピードと成果を優先して構築されたそれらのシステムは、企業システムの全体最適から外れ、単独かつ非効率な運用を強いられている場合がある。本稿では、増加するDXシステムと他システムとの連携に着目し、iPaaSによる統合連携について解説する。

個別最適で進むDXシステム開発

企業のDX推進は実践フェーズに入り、多くの情報システムが稼働を開始している。新規ビジネスや業務プロセスを抜本的に改革することを目的としているDXシステムは、スモールスタートで開発されることが多く、それらは迅速かつ安価に開発が可能なクラウドサービス(IaaS/PaaS/SaaS)が採用されている。これらは目に見える成果創出を優先する傾向にあることから、まず目先のターゲットであるビジネスや業務プロセスを起動に乗せることに注力し、既存システムの構築ポリシーや標準ルールへの準拠が後回しになっていることが少なくない。また、他のシステムとのシステム連携も、後回しにされがちなタスクのひとつになっている。そのため、共通的に使われるマスターや、DXシステムから発生する各トランザクションデータの共有などは、CSVファイルによるマニュアル取り込みや、Excelへのコピー貼りつけなどの急場凌ぎの作業によってサイロ化した状態になっていると考えられる。

多くのDX関連システムがDX実践フェーズに入ると、利用者から手入力やCSVファイルアップロードなどの非効率な作業への改善を要望されることが予想される。その際の対処方法のひとつに、クラウドシステムが装備するAPI接続機能を用い、対象となるシステム間に応急的なシステム連携を構築することが考えられる。ローコード開発などで簡易に接続設定が可能なAPI連携の場合、IT部門の関与なく構築できることから、無秩序にシステム連携接続が増大する恐れがある。その結果、多対多で複雑化したシステム連携状態(スパゲティ化した状態)となった場合は、システム保守時の対応工数が増大するほか、システム障害のリスクも増大する。

図1.想定されるDX実践フェーズのシステム連携

図1.想定されるDX実践フェーズのシステム連携
出典:ITR

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