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ITR Review

コンテンツ番号:
R-223033
発刊日:
2023年3月1日

AI文字起こしサービスの活用実態

実用段階に入ったサービスの価値を引き出すために

著者名:
舘野 真人
AI文字起こしサービスの活用実態のロゴ画像

音声を文字データに変換するAI文字起こしサービスは、まだ初期段階ではあるがビジネスの現場でも着実に実用化が進んでいる。本稿では、アンケート調査の結果などを基に、その利用動向や提供されているサービスの特徴および活用に向けたポイントなどを概説する。

初期採用者層では実用段階に入った文字起こしサービス

昨今、AI技術を活用して音声を文字データに変換する「AI文字起こしサービス」が業務支援ツールとして注目を集めている。ディープラーニングの登場により音声認識(Speech-To-Text)の精度が大きく向上したこと、議事録作成に特化した手頃な価格帯のSaaSが数多く登場したことに加えて、リモートワークの定着とともにWeb会議の機会が増えたことなどがその要因である。

中心的な用途はチーム単位で行われる会議の記録だが、それ以外にも役員会議や顧客との商談、採用面接、さらには口述筆記に至るまで、さまざまな活用シーンが想定される。コロナ禍を契機に貴重な機会となったリアルタイムでのコミュニケーションを補完する手段として、同サービスへの注目は今後も高まっていくと予想される。

ITRが2022年10月に、大企業から中小企業までさまざまな組織に勤務する1万人以上を対象に実施したアンケート調査によると、何らかのAI文字起こしサービスを業務で利用している人の割合は16%であった(図1)。現時点での利用者はまだ一部にすぎないように見えるが、この値は、かつて米スタンフォード大学の社会学者、エベレット M.ロジャース氏が唱えた「イノベーター理論」に基づけば、革新者と位置づけられる「イノベーター」と、流行に敏感な初期採用層である「アーリーアダプター」を合計した割合(16%)と奇しくも符合する。新技術の採用に積極的なビジネスパーソンの間では、AI文字起こしサービスの利用はすでに実用段階に入っており、今後に向けて追随者が一気に利用を開始して市場が拡大する可能性があると考えられる。

図1.AI文字起こしサービスの利用状況

図1.AI文字起こしサービスの利用状況
出典:ITR『AI文字起こし(議事録作成)ツール動向調査2022』(2022年10月調査)

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