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ITR Insight

コンテンツ番号:
I-324062
発刊日:
2024年6月21日

AIドリブン・エンタープライズシステムの要諦

著者名:
浅利 浩一
AIドリブン・エンタープライズシステムの要諦のロゴ画像
エンタープライズAIとはどのようなものか
エンタープライズAIの現実解をどう見据えるべきか
どのようにAIドリブン・エンタープライズシステムに転換していくべきか

生成AIは、企業のビジネスモデル変革、生産性向上ならびに従業員の教育と学習、さらにシステム構築そのものを一変するインパクトがあり、多くの企業が生成AIへの投資を前向きに検討している。その一方で、EUではAI法が可決され、規制の具体が進んでおり、企業は総じて注意深く生成AIの活用に取り組み始めている。企業は、エンタープライズシステムにおけるAI活用の現実解を踏まえつつ、AIドリブンなデータ基盤を前提とした構想策定と体制整備を進めていくべきである。

1.エンタープライズAIとはどのようなものか

1-1. エンタープライズAIを取り巻く状況

AI/生成AIが、企業のみならず社会から革新的な技術として注目されている。特に、人間との対話や資料の要約など、日常の業務や生活のあらゆる接点での利用シーンが想定される生成AIがもたらす生産性向上への期待は非常に高い。しかし、革新的な技術には、積極・肯定的な側面および慎重・否定的な側面の両面があるのが常である(図1)。

図1.AIに対する積極および慎重要因

図1.AIに対する積極および慎重要因
出典:ITR

革新的な技術として期待が高まる一方で、2024年3月13日、EUは世界初となるAIの包括的な規制法案を可決した。この規制は、今後段階的に発効されるが、EUがシステムリスクを有するAIの安全性評価を強化すると見られる。例えば、システムリスクのあるAIに重大なインシデントがあれば、規制当局に報告が求められ、当局がAIの利用を禁止するといった対処が想定される。

次に、AI投資についてだが、2024年3月22日にKPMG社が発表した米国企業220社を対象とした調査によると、年商10億ドル以上の企業の43%が、今後12ヵ月間に少なくとも1億ドルを生成AIに投資する見込みであるという。このように、従来の売上高に対するIT予算額の比率を大きく超える投資に対しては、具体的な効果が算出できるのかといった懸念がある。そもそも、そのような膨大な投資そのものに大きなリスクがつきまとうことはいうまでもない。また、生成AIは、浅くではあっても多くの人に知識と洞察を提供できる点は有益だが、限定された専門知識、コンテンツ化されていない知識が求められる業務における効果には疑問もある。現段階では、AI投資による飛躍的な生産性向上やイノベーションの可能性を潜在的には評価しつつも、慎重に適用範囲を見極めながら検討を進めている企業が多数派であろう。

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