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ITR Insight

コンテンツ番号:
I-324042
発刊日:
2024年4月10日

システム運用管理の再定義

著者名:
入谷 光浩
システム運用管理の再定義のロゴ画像
国内企業におけるシステム運用管理の実態と課題とは
クラウド環境で求められるシステム運用管理テクノロジは何か
これからのシステム運用管理の役割をどのように再定義すべきか

企業のシステム運用環境は、長らく属人化と人材不足の問題を解決できないままでいる。さらに、近年のクラウド環境へのシフトが加わり、運用負担は重くなる一方である。このままではクラウド環境で加速する開発スピードに運用管理が追従できなくなり、DXの大きな足枷になりかねない。本稿では、システム運用管理の実態と課題を分析し、マルチクラウド環境に最適化された最新のテクノロジを踏まえながら、これからのシステム運用管理を再定義する。

1.国内企業におけるシステム運用管理の課題

1-1. システム運用管理のコストと業務負担の増加

ITRは、国内企業におけるシステム運用管理の実態と課題を明らかにする目的で、2023年8月に、企業でIT部門に所属するシステム運用管理の責任者もしくは管理者に対して調査を行った。本稿では、この調査結果を踏まえながらシステム運用管理の現状と課題について述べていくことにする。

まずは、システム運用管理にかかるコストと運用管理担当者の業務負担が、過去3年間でどのような傾向になっているかを見てみる(図1)。運用管理コストについては、「毎年10%以上増加」が13%、「毎年10%未満増加」が44%となり、合わせると58%が毎年増加しているとした。同コストは、人件費、運用管理ツール、製品保守、アウトソーシングにかかるコストを対象としている。調査では、それぞれの項目についての状況も質問しているが、いずれも40%以上の企業が増加と回答している。

図1.企業におけるシステム運用管理のコストと業務負担の状況

図1.企業におけるシステム運用管理のコストと業務負担の状況
出典:ITR『システム運用管理に関する実態調査』(2023年8月調査)

運用管理担当者の業務負担については、「負担が大きく深刻な状況」が11%、「負担が増える傾向にある」が56%となり、合わせると67%もの企業において負担が大きい状況であることがわかった。企業のシステム管理部門は、コストと業務の2つの負担が重くのしかかっている状態にあるといえよう。

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