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ITR Insight

コンテンツ番号:
I-323071
発刊日:
2023年7月1日

進展するAI基盤モデルの実態と活用アプローチ

著者名:
舘野 真人
進展するAI基盤モデルの実態と活用アプローチのロゴ画像
企業のAI利用状況の現状はどうなっているか
AIの基盤モデルとはどのようなもので、具体的にどのようなサービスが登場しているのか
基盤モデルを活用するうえで企業が留意すべきことは何か

2010年代後半以降、“AIブーム”といわれつつも、国内企業においてAI技術がビジネスに活用されているケースはまだ少ない。そのようななか、市場では大規模な学習データを用いて多様なタスクに対応できる「基盤モデル」が次々に登場して注目を集めている。このようなAI技術のユーティリティ化は、AI活用の起爆剤になると期待される。

国内企業のAI活用状況

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出典:ITR『IT投資動向調査2020~2023』

はじめに、国内企業のAI活用に関わる統計データを紹介したい。AIブームといわれるようになって久しい昨今だが、こと国内企業においては、AI技術がいまだビジネスに浸透したとはいえない状況が続いている。

ITRが毎年実施している『IT投資動向調査』では、国内企業におけるさまざまなテクノロジの利用状況を定点観測している。「画像認識」や「音声認識」「機械学習プラットフォーム」といったAIの要素技術に対する投資意欲は比較的高い水準にあるものの、主要なIT動向のうち「AI/IoTの実用化」という項目では、実施済みと回答した割合が直近の2022年の調査でも17%にとどまった。この値は2020年以降、横ばいで変化が見られない。

この数字は「テレワークの全社規模での定着」(33%)、「基幹系システムのクラウド化の推進」(26%)はもとより、「システム開発の内製化の推進」(20%)、「アジャイル開発/DevOpsの推進」(19%)などをも下回る実施率である。この調査結果は「AI/IoT」とひとくくりに扱っているため純粋なAIの導入率を示すものではないが、AIに関する投資の優先度が近年さほど高まっていないことはうかがえる。

コロナ禍により、とりわけ小売業やサービス業で大規模なAIプロジェクトが進みにくかったなどの事情があったとはいえ、国内においてはAI技術による恩恵を受けている企業が依然として一部にとどまっており、その裾野が必ずしも広がっていないことは確かである。

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