クラウドネイティブ・テクノロジの概要と国内企業における活用の実態とは
クラウドネイティブ・テクノロジの進化の変遷と活用事例はどのようなものか
クラウドネイティブ・テクノロジを活用するためのアプローチとは
クラウドネイティブ・アプリケーションはDXやイノベーションの創生に必須である。それを実現するためのテクノロジは多種多様なものがあり、クラウドを中心に激しい進化が進んでいる。本稿ではそれらの最新動向と活用のポイントについて解説する。
IaaS移行による既存アプリケーションの問題
クラウドネイティブ・アプリケーションに対する国内企業の注目度が高まっている。図の左にITRのクラウド定義を示した。例えば、1つ目にあげた「オンデマンド・セルフサービス」とは、オンデマンドかつセルフサービスでクラウドの利用開始/停止ができることを指し、これにより、迅速なビジネス展開や他社に先駆けた革新的ビジネスの展開を、失敗リスクを最小化しながら推進することが可能になるというメリットがある。他の項目もクラウドの代表的な利点であり、クラウド事業者が提供するサービスの多くはこれらの項目を満たしており、これを利用することでビジネスやITの面でメリットを得ることができる。
国内企業の多くが既存アプリケーションをIaaSに移行しているが、残念ながら現状これらのアプリケーションは、図に示したクラウド定義を満たしていない。例えば、アプリケーションはユーザーからのアクセスによってオンデマンドで起動/停止できるようにはなっていない。
オンプレミスで稼働しているアプリケーションをIaaSに単純移行することを「クラウドリフト」と呼ぶが、この移行ではクラウドのメリットを活かすことができない。そのため、アプリケーションそのものの「ネイティブ化(クラウド定義を満たすようにすること)」が求められている。