独立系ITコンサルティング・調査会社である株式会社アイ・ティ・アール(所在地:東京都新宿区、代表取締役:三浦 元裕、以下「ITR」)は、国内のERP市場の提供形態別市場規模推移および予測を発表いたします。
ERP市場の2024年度の売上金額は2,558億円、前年度比18.0%増となりました。2025年度は同16.7%増を見込んでいます。この主要因には、システムの老朽化と保守契約の終了を契機としたシステムのリプレース需要増があります。近年、ERPは、AI機能の搭載によりシステムの高度化を促進しており、単なる基幹業務システムにとどまらず、経営意思決定支援の基盤へと進化しています。こうした動きから、同市場は中期的にも安定した成長が続くと予測しています。
同市場を、パッケージとSaaSの提供形態別で比較すると、2024年度のパッケージ市場は前年度比3.5%増となった一方、SaaS市場は同28.2%増とより高い伸びを示しました。主要ベンダーがSaaS提供に注力していることから、今後もSaaS市場は順調に拡大する見通しです。CAGR(2024~2029年度)は、パッケージ市場がマイナス0.9%、SaaS市場は同20.0%を予測しています。
図.ERP市場規模推移および予測:提供形態別(2023~2029年度)ITRのプリンシパル・アナリストである浅利 浩一は、「今回調査対象とした54ベンダーのうち、オンプレミスのパッケージのみを提供するベンダーは16社、SaaSのみが15社、両方を提供するベンダーは23社でした。この数だけをみると、パッケージのみとSaaSのみを提供するベンダーが拮抗しているようにみえますが、2024年度の市場シェア上位20社では、パッケージのみを提供するベンダーはわずか2社にとどまります。戦略的にオンプレミスを継続するベンダーも存在しますが、ERP選定においては、AIなど新たなテクノロジへの対応力や将来性を見極めることがこれまで以上に重要になっています。基幹系システムのクラウド化は、アーリーアダプターに続くアーリーマジョリティ、さらにレイトマジョリティの一部の企業が、2026年度までに投資をほぼ終えるとITRはみています。SaaSおよびサブスクリプション型のビジネスモデルに転換したベンダーは、継続的な成長に向けてサービスを充実させる必要があります。一方、転換が遅れたベンダーは、今後の戦略や製品強化の方向性を早急に明確にする必要があります」とコメントしています。
調査概要
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート『ITR Market View:ERP市場2026』に詳細を掲載しています。同レポートには、ERP市場を対象に、国内54ベンダーへの調査に基づいた2023~2024年度売上実績および2029年度までの売上予測を掲載しています。