国内企業においては、JavaおよびJavaScriptの人気が高い。しかし、これらの言語を利用しても多種多様なフレームワークやバージョンの存在に悩んでいる企業が多い。言語/フレームワークに10年以上の長寿命を期待する企業も多いが、それは幻想に過ぎない。言語/フレームワークはもちろんのこと、あらゆるテクノロジ/製品の進化と変化に適応可能なITアーキテクチャおよびITインフラの構築・運用を行うべきである。
オープンシステムが主流になる以前は、開発言語の選択肢は非常に限定的であった。メインフレームやオフコンにおいては、基本的にそのハードウェアベンダーが提供する言語が利用され、選択肢はCOBOL、PL/I、RPGなどに限られていた。オープンシステムの時代になっても、UNIXが主流の頃は同様にハードウェアベンダーが提供する言語/ツールがよく採用されたが、WindowsやLinuxといったIAサーバ系OSの時代になり、サードパーティやオープンソースの言語/フレームワークを利用する企業が非常に増えた。選択肢が多いことは、言語/フレームワーク提供ベンダーからのロックインを回避するうえでは非常に有効であるが、自由競争であるがゆえに言語/フレームワークのライフサイクルが短かくなるという結果をもたらした。
では、現在、国内企業はどのような言語/フレームワークを利用し、今後どのような言語/フレームワークを利用しようとしているだろうか。ITRが2024年2月から3月にITRの独自パネルを活用し行ったWebアンケート結果を基に考察したい。同調査の対象は、年間売上高300億円以上の国内企業で、回答はIT部門やDX部門などのアプリケーション開発を行っている組織に属し、自社におけるアプリケーション開発の現状と計画を知っている人に限定した(有効回答数:1,178件)。