データを表形式で格納するRDBMSは、事前にテーブルの構造を決めておく必要があるのに対して、ドキュメントデータベースは、事前にテーブルの構造を決めておく必要がないスキーマレスという特徴を持っており、JSON(JavaScript Object Notation)やXMLといったドキュメントモデル形式を持つデータを格納することができる。本稿では、RDBMSとドキュメントデータベースの違いを明確にしたうえで、ドキュメントデータベースを効果的に活用するためのポイントを解説する。
ドキュメントデータベースはドキュメント指向データベースとも呼ばれ、NoSQLデータベース(RDBMSとは異なるアーキテクチャを持つデータ管理システムの総称)の1種である。ドキュメントデータベースの「ドキュメント」とは、JSONやXMLのようなドキュメントモデル形式のデータを指す。RDBMSではデータが共通化された列を持つレコードの集合(テーブル)として格納されるのに対して、ドキュメントデータベースでは、データは階層や配列構造を持つドキュメントの集合(コレクション)として格納される。
家族構成のデータの例を図1に示した。RDBMSのテーブルで表現するには、配偶者と2人までの子供といった想定される列をあらかじめ共通化しておく必要があるが、ドキュメントデータベースの場合は、配偶者の有無や子供の人数にかかわらず1つのコレクションとして格納できる。