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【R-221053_6963032889】急成長するAI-OCR市場

作成者: 株式会社アイ・ティ・アール|Sep 14, 2023 8:58:55 AM

国内のOCR市場、特にAI-OCRの市場規模が急速に拡大している。AI-OCRといえば、手書き文字認識のディープラーニングを活用した認識精度の向上が最も想起しやすいメリットであるが、それにとどまらない。本稿では、AI-OCRの市場動向および特徴に加え、導入時のセキュリティに関する留意点について考察する。

AIで活性化するOCR市場

OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)の歴史は長いものの、認識精度の低さから企業での導入は限定的であった。しかし、近年、AI活用による認識精度の向上や、データの自動抽出機能の追加などにより、OCRを見直す企業が増加し国内OCR市場が急速に拡大している。『ITR Market View:RPA/OCR/BPM市場2020』によれば、2019年度のOCR市場の売上金額は87億円、前年度比47.5%増を示し、2年連続で前年度からの伸び率が45%を超えた。ITRでは、引き続き2020年度も同31.0%増と高い成長を予測している。その背景には、ここに来て、AIを活用した精度向上に伴い、OCRソリューションの移行などが進み、新規導入/既存システムのリプレースを問わず、OCRが改めて評価されていることがある。帳票レイアウトの自動認識機能や、RPAと連動したシステムでの導入など、OCRの活用が幅広い分野で進んでおり、市場の拡大を後押ししている。

提供形態別で注目されるのは、SaaS型の台頭であり、2019年度のSaaS型の市場規模は前年度の3倍近くに拡大している。このSaaS型市場を牽引しているのは、AI技術を利用したOCRを提供するAI insideやCogent Labsに代表される新興ベンダーである。AI-OCRへの注目の高まりを背景に、2019~2024年度までのSaaS型OCR市場のCAGRは33.6%とITRでは予測している。