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【R-219062_6962446896】API連携の重要性と活用ポイント(後編)

作成者: 株式会社アイ・ティ・アール|Sep 21, 2023 4:37:38 AM

企業がAPI連携を活用する場合、連携管理がシンプルになるAPI管理ソリューションが必須となる。API管理においては、ゲートウェイ機能、セキュリティ機能、開発/テスト支援機能、分析/レポート機能および課金/支払管理機能が重要である。API連携はインターネット上にある各種サービスと連携して価値が高まるものであるため、クラウドサービスとして提供されているソリューションを最優先に検討すべきである。

API管理とは何か

ITR Review 2019年4月号「API連携の重要性と活用ポイント(前編)」(#R-219042)では、システム間連携は疎結合で行うべきであり、さまざまな実現手法があるなかで現時点で最も優れており今後も有望なアーキテクチャはAPI連携であると述べた。連携元システムが連携先のデータやデータベース構造を知る必要がなく、連携部分の仕様が変わらない限り連携元システムの変更が連携先にまったく影響を及ぼさないため、企業システム全体のサステナビリティを高めることができる。また今後、企業システムの重要な鍵を握ると考えられるマイクロサービスアーキテクチャの実現にAPI連携は必須となる。

複数のシステム間でAPI連携を行う場合の構成を図1に示した。(1)ピア・ツー・ピア型で各システムを連携する場合、システム間のつながりは複雑になり、API連携の管理は個々のシステムで行う必要がある。(2)ハブ・スポーク型で連携を行えば、システム間のつながりはシンプルになり、ハブに該当するシステムによってAPI連携を統合管理することが可能になる。このハブに該当するシステムを「API管理」と呼ぶ。企業がAPI連携を活用する場合、数多くのシステムに適用しなければ効果が限定的になるため、API利用に前向きな企業においてAPI管理は必須であるといえる。

図2にAPI管理が備えるべき機能を示した。APIゲートウェイは、API管理の最も基本的な機能である。基本的にAPI管理は企業が利用するものであり、セキュリティは非常に重要である。アクセス制御には、事前に発行するAPIキーの利用が一般的だが、より高度なセキュリティを実現するためにはOAuth、OpenID Connectなどの認証システムと連携することが必要である。企業間でのAPI連携においては、本番運用の前に入念なテストが必要であり、そのためのサンドボックスの提供は重要となる。ビジネスとしてAPI提供を行う企業には、分析/レポートおよび課金/支払管理の機能は必須といえる。

図1.API管理の必要性

出典:ITR

図2.API管理が備えるべき機能

出典:ITR