IBM社は、データ分析から得られるインサイト(洞察)に焦点を当てたイベント「IBM Insight 2015」において、IBM Watsonを中心とした同社のコグニティブ・コンピューティングのプラットフォームに関連する多くの発表を行った。本稿では、同イベントの公開情報を基に同社のコグニティブ・コンピューティング事業の最新動向について述べる。
IBM社は2015年10月25日から29日までの5日間、米国ネバダ州ラスベガスでデータ分析から得られるインサイト(洞察)に焦点を当てたイベント「IBM Insight 2015」を開催した。同イベントはこれまで「Information On Demand」の名称で開催されていたイベントであり、さまざまなデータを蓄積してきたビッグデータ時代から、データを分析し、洞察を得ることが必須の時代になってきていることを踏まえて、2014年より名称が変更された。今回は、日本からの参加者約200人を含め、世界各国から約1万5,000人のユーザー企業やパートナー企業が参加し、200を超えるセッションが開催された。本稿では本イベントで公開された情報を基に、IBM社のコグニティブ・コンピューティング事業の最新動向を紹介する。
セッションは分析、ビッグデータ、クラウド、データセキュリティ、ECM(エンタープライズ・コンテンツ管理)、情報統合/ガバナンス、IoT、モバイルといった主要テーマに割り振られているが、そのほとんどのテーマは、データ統合・分析により得られた洞察でビジネスを成功させるという、メインテーマである「Lead in the Insight Economy」に結びつくものであった。イベントでは、主に以下の製品/サービスおよび技術に関するセッションに注目が集まっていた。