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【R-215042_6962929205】低成長の国内ERP市場

作成者: 株式会社アイ・ティ・アール|Sep 29, 2023 9:11:42 PM

ITRでは、国内ERP市場の調査を毎年行っており、最新版である「ITR Market View:ERP市場2015」を発刊する。最新の「IT投資動向調査2015」で、国内企業の投資意欲に減退傾向が顕著に見られたERP市場について速報する。また、成長性が高い国内SaaS市場の状況、および今後の成長性についての見解を述べる。

投資意欲減退が予測される国内ERP市場の最新状況

ITRが毎年実施している「IT投資動向調査」では、国内企業のERPに対する投資意欲がこの3年間で減少し続ける状況が確認されていた。こうしたIT投資の動向が、もしそのまま国内ERP市場に反映していたとすれば、場合によっては売上金額が前年を割るといった懸念もあった。(ITR Review 2015年1月号「大転換期のERPビジネス」 #R-215012)。そのようななか、2014年末から2015年2月にかけて調査を実施した「ITR Market View:ERP市場2015」の結果は、2015年度およびそれ以降の動向を考慮するうえで大きな意味を持つ。

結果としては、対前年割れのような事態には至らなかったが、予想通り低成長であったといわざるを得ない。2013年度の国内ERP市場の売上金額は、前年から2.5%増と低い伸びに留まった。これは、前年調査時点の予測成長率3.6%を1.1ポイントも下回ったことになる。また、ERP市場2015における2014年度の予測値は3.6%程度を見込んでいるが、これも2007年度の調査開始以降最も低い予測値である。リーマンショックの影響が直撃した2008年度から2009年度以降は、5%弱から9%弱程度の成長を見込んできたのに対し、それを大きく下回る状況である。こうした状況にかかわらず、新規案件を順調に獲得しているベンダーが売上げを伸ばす一方で、売上げの減少傾向が続くベンダーもあり、市場全体としては大きく減速する結果となった。