Windows 7のサポート終了を2020年1月に控え、依然としてWindows 7をメインに利用している企業は少なくない。Windows 10は、これまでのWindowsとは更新モデルやライフサイクルが異なり、Windowsの移行は10年に1度の対策ではなくなった。企業においてスマートデバイスの浸透とモバイルワークが進展していくなかでWindows 10以後のクライアント環境の運用管理を考察する。
事業所におけるPCの保有率が2002年に9割を超え(総務省「平成14年通信利用動向調査」より)、さらにモバイルネットワークの普及に伴い、オフィス外でのモバイルワークに適した軽量ノートPCと2台を利用するユーザーも増加してきた。さらに、携帯電話からスマートフォンへのシフトに伴い、タブレットを含むスマートデバイスの導入企業は5割を超えている。
IoTの台頭、そしてVR(Virtual Reality)デバイスやMR(Mixed Reality)デバイス(スマートグラス)など、製造現場やフィールドサービスなどの特殊業務用途で利用されるデバイスの種類も増加傾向にある。また、コミュニケーション業務を中心に、オフィス外での情報のやり取りを最大限効率化したいナレッジワーカーや、従業員の健康管理を目的にスマートウォッチの支給を検討する企業もあるであろう。
このように、2020年以降も企業で利用されるクライアントデバイスは多様化していくことが想定される。本稿では、多くの企業においてオフィス内を中心に利用されているデスクトップPCやノートPCなどのWindows PC、およびスマートフォンやタブレットのライフサイクルと、統合運用管理に関する動向を解説し、Windows 10時代のクライアント運用管理の理想像を考察する。なお、生産性向上に向けたデバイスの選定などについては本稿で扱っていない。別途「ITR White Paper:2020年に向けた社内標準PCのあるべき姿」(C-18070111)を参照されたい。