スマートデバイス、クラウド、ビッグデータといった先進ITの普及に伴い、IoTを実現するうえでの技術的障壁が飛躍的に下がった。IoT活用による成功事例は国内外で多種多様な業種に及んでいる。本稿では、IoTを実現するための最新のテクノロジ動向および国内外の先端事例を紹介し、IoTのビジネス価値を明確にする。
Internet of Things(IoT)という考え方が浸透してきている。日本語で「モノのインターネット」と訳されることが多いこのIT/ネットワーク分野における最新動向は、特定のテクノロジ、製品やソリューションを指すのではなく、あらゆるモノがインターネットに接続することによって実現する世界を指している。元来、インターネットに接続するデバイスはコンピュータや通信機器に限られていた。しかし、携帯電話(フィーチャーフォン)がインターネットにつながるようになり、携帯通信モジュールを搭載した機器がインターネットにつながるようになった。スマートデバイス(スマートフォン/タブレット)は個人がいつでもどこでもインターネットにつながることを可能にし、ソーシャルメディアの隆盛も伴って、一日中インターネットに繋がっている個人は珍しい存在ではなくなった。
現在では、テレビ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルオーディオ、ハードディスクレコーダー、家庭用ゲーム機などのデジタル家電、自家用車、自動販売機などインターネットに接続するのは一般的になっている。また、直接インターネット接続するのではないが、スマートフォンと通信を行う家電製品も少なくない。今後、多種多様なデバイスがインターネットに接続されるようになることは間違いない。世界中のあらゆるデバイスや人がデジタル情報を基につながる世界はSFの話ではなく、現実のものになりつつあるのだ。