独立系ITコンサルティング・調査会社である株式会社アイ・ティ・アール(所在地:東京都新宿区、代表取締役:三浦 元裕、以下「ITR」)は、国内のクラウド型DLP(Data Loss Prevention)市場規模推移および予測を発表いたします。
クラウド型DLP市場の2023年度の売上金額は44億6,000万円、前年度比31.6%増となりました。2024年度は同27.4%増の56億8,000万円を予測しています。
企業において機密情報や重要データをクラウド環境に格納したり、クラウドサービスを通じて共有したりする機会が増加しています。それに伴い、利用中のクラウドサービスからの情報漏洩リスクも高まっており、情報漏洩防止や情報保護を目的とした需要が拡大しています。膨大な重要データを保有し、セキュリティ対策に積極的な大企業を中心に導入が進んでいますが、中堅・中小企業での導入も増加傾向にあり、今後も市場はさらに拡大することが期待されます。このような動きから、ITRでは、同市場のCAGR(2023~2028年度)は13.6%、2028年度には84億2,000万円に達すると予測しています。
※本調査におけるクラウド型DLPは、SaaSやIaaSアプリケーションといったクラウド環境に格納されている機密情報や重要データを監視・可視化し、情報の持ち出しやコピーの可能性を検知した際は、アラートの通知や操作をブロックして情報の流出を防止する製品を指します。
ITRのアナリストである中村 悠は、「ゼロトラスト環境におけるセキュリティ対策の必要性が叫ばれて久しく、近年では、その有効な手段として、SASE(Secure Access Service Edge)ソリューションが普及しつつあります。SASEは、CASB(Cloud Access Security Broker)やSWG(Secure Web Gateway)など複数のコンポーネントから構成されており、クラウド型DLPもその一要素に位置づけられ、業種や従業員規模を問わず導入が拡大しています。企業においては、利用するクラウドサービスごとに適切なセキュリティ設定と定期的な見直しが不可欠ですが、加えて、クラウド型DLPを情報漏洩対策として採用することで、より高度なセキュリティレベルを実現できます。今後もクラウドサービスの利用拡大が見込まれることから、クラウド型DLP市場のさらなる成長が期待されます」とコメントしています。
調査概要
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート『ITR Market View:SASE市場2025』に詳細を掲載しています。同レポートには、FWaaS(Firewall as a Service)、SD-WAN(Software Defined-Wide Area Network)、CASB、ZTNA(Zero Trust Network Access)、クラウド型セキュアWebゲートウェイ、Web分離、クラウド型DLPの全7分野を対象に、国内27ベンダーへの調査に基づいた2022~2023年度売上げ実績および2028年度までの売上げ予測を掲載しています。