独立系ITコンサルティング・調査会社である株式会社アイ・ティ・アール(所在地:東京都新宿区、代表取締役:三浦 元裕、以下「ITR」)は、国内のMDM(Master Data Management)市場規模推移および予測を発表します。
MDM市場の2023年度の売上金額は18億円、前年度比20.0%増となりました。2024年度も同21.7%増の伸びが予想されます。MDMは2010年代前半より注目されてきたテクノロジながら、運用の難しさや導入コストの問題から活性化しない状況が続いていました。しかし、近年の活発なDX推進やAI活用の進展を背景に、MDMによって組織内のデータを一元的に管理しデータの品質や正確性を確保することで顧客ニーズに適合したマーケティング活動や営業活動を促進できるとして、同市場への注目度が着実に高まっています。今後の伸びが期待されることから、同市場のCAGR(2023~2028年度)は16.7%を予測しています。
※本調査におけるMDMとは、企業内で重複したり散在したりしているマスタデータを、統一的に管理することを目的とした製品・サービスを指します。
図.MDM市場規模推移および予測(2022~2028年度予測)ITRのプリンシパル・アナリストである浅利 浩一は、「MDMは、グローバルビジネスを展開する海外企業では、SSOT(Single Source of Truth:信頼できる唯一の情報源)を担保するために標準装備として導入されてきました。国内でも近年のDX推進やAI活用の進展を背景に、基幹系システムやレガシーの刷新を契機としてMDMを導入する企業が増えてきています。MDMは、ERPやスクラッチ開発などのさまざまなシステムを横断して、品目(製商品、原材料など)、取引先、組織の主要3マスタをはじめとする重要なゴールデンレコード※を一元管理するための基盤として、今後さらに重要性を増していくでしょう。さらに、主要3マスタで網羅できないマスタデータや業種に特化したSSOTを実現するために、ソリューションのスコープが拡大されていくでしょう」とコメントしています。
※ゴールデンレコードとは、最も正確で完全、かつ最新の情報を含む単一のマスタレコードを指す造語です。
調査概要
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート『ITR Market View:DBMS/BI市場2025』に詳細を掲載しています。同レポートには、DBMS市場(RDBMS市場)、BI市場(データ分析/レポーティング市場、DWH/データレイク用DBMS市場)、データ・マネジメント市場(ETL/データ・プレパレーション市場、データ・カタログ市場、データ品質市場)、レプリケーション市場、MDM市場の全8分野を対象に国内39ベンダーへの調査に基づいた2022~2023年度売上げ実績および2028年度までの売上げ予測を掲載しています。