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【S-25000100_16260224032】国内IT投資動向調査報告書2025

作成者: 株式会社アイ・ティ・アール|Nov 26, 2024 12:00:00 AM
本調査では、従来から定点観測しているIT予算の増減傾向や売上高に対する比率について分析しています。また、IT部門の人員構成の変化、IT投資や戦略・施策の状況との関係性、110に及ぶ製品・サービスの投資意欲の動向についても定点分析しています。加えて、今年は、DXやAI関連予算の策定状況や、DX施策の推進状況およびAI活用の業務・用途についても調査しました。これらの調査結果に一部経年変化も加えて分析した『国内IT投資動向調査報告書2025』を発行します。 

調査対象

  • ITR顧客企業およびITR保有の独自Webパネルのうち、国内企業に所属し、IT戦略・IT投資の意思決定に関与する役職者 
  • 有効回答数 2,374件

調査内容

  • IT投資の方向性
  • IT戦略と注目すべきIT動向
  • DX関連予算策定状況と対象領域/成果獲得状況
  • AI関連予算策定状況と適用業務領域
  • 製品・サービス(110分野)への投資動向
  • IT部門の人員構成および人材配置の施策  他  

本調査では国内企業におけるIT投資の実態とIT戦略の現状と今後の展望をまとめ、過去の調査結果との経年変化に加え、業種別(製造/建設・不動産/卸売・小売/金融・保険/情報通信/サービス/公共)、従業員規模別(5,000人以上/1,000~4,999人/300~999人/300人未満)、および一部売上規模別(5,000億円以上/1,000億~5,000億円未満/500億~1,000億円未満/100億~500億円未満/10億~100億円未満/10億円未満)にデータをクロス集計することで詳細な分析を行っています。

調査ハイライト

「IT投資インデックス」は高水準での推移が続く

2024年度(2024年4月~2025年3月)のIT予算額は、前年度から「増額」したとする企業が44%となり、2023年度と同じ割合を維持しました。2025年度は「増額」を見込む企業が1ポイント増の45%となり、2001年の調査開始以来の最高値となることが予想されます。

<参考資料1> IT予算額の増減予想(2023~2025年度予想)

このIT予算額の増減を指数化した「IT投資インデックス」は、2024年度(実績値)は3.81で4年連続の上昇となり、2006年度の過去最高値(3.88)に次ぐ高い値となりました。また、2025年度は、10%未満の比較的小幅な増額を見込む企業が増えることから、IT投資インデックスはわずかに下降するとみられます。

<参考資料2> IT投資インデックスの推移(2001~2025年度予想)

※IT予算の前年度比の増減が「20%以上の増加」を+20、「10%から20%未満の増加」を+15、「10%未満の増加」を+5、「横ばい」を0、「10%未満の減少」を-5、「10%から20%未満の減少」を-15、「20%以上の減少」を-20、として積み上げて回答数で除した値(2016年度以降)。2015年度以前の値は、調査時の設問の選択肢が異なったため、「20%以上の増加」を+20、「20%未満の増加」を+10、「横ばい」を0、「20%未満の減少」を-10、「20%以上の減少」を-20、として同様に算出。

DXは8割強、AIは7割の企業が予算を計上

IT戦略を遂行するうえでDXは依然として重要なテーマとなっており、また、高い注目を集めているAIは本格的な業務適用のフェーズへの移行が進んでいます。そこで、DX関連予算およびAI関連予算の計上状況を調査したところ、DX関連は82%、AI関連は70%の企業が、各予算を計上していることがわかりました。また、これらの予算の全部または一部をIT予算に計上している企業は、DX関連が56%、AI関連が46%と、いずれも半数前後に上っており、IT予算が増加基調にある一因になっていると考えられます。

<参考資料3> DX/AI関連予算の計上状況

「生成AI」が2025年度の新規導入可能性および投資増減指数で1位に

企業ITに関わる全110項目の製品・サービスを対象に、現在の導入状況と今後の投資計画について調査した結果を基に、2025年度に新規で導入する可能性を「新規導入可能性」、導入済み企業での2025年度の投資額の増減予定を「投資増減指数」として算出し、動向を分析しました。

2025年度の新規導入可能性では「生成AI」が1位、「AI/機械学習プラットフォーム」が2位となり、前年調査の1位と2位が入れ替わる結果となりました。また、投資増減指数も同じく「生成AI」が1位、「AI/機械学習プラットフォーム」が2位となりました。

加えて、このAI分野への注目と投資意欲の高まりを背景に、「チャットボット/チャットサポート」と「音声認識」が新規導入可能性での順位を上げ、順に3位と10位とトップ10入りしました。「画像認識」は、投資増減指数を前年調査の10位から2025年度は4位へ順位を上げました。さらに、新規導入可能性では「iPaaS/API管理ツール」が4位、投資増減指数では、「ローコード/ノーコード開発」が3位へ浮上し、AI機能を組み込んだ業務アプリケーションの開発ニーズが拡大していると推察されます。

<参考資料4> 2025年度に新規導入/投資増額が期待される上位10製品・サービス

効果獲得に向けたAI関連製品・サービスの活用および人材・組織強化のためのIT予算策定を

今回の調査結果を受けて、ITRのプリンシパル・アナリストである三浦竜樹は、「国内企業のIT投資インデックスは、2022年度から2024年度にかけて高い水準で推移しており、2025年度も同等のIT投資意欲が維持されることが見込まれます。また、企業の7割以上がDXおよびAI関連の予算を計上していることに加え、前年度まで足踏み状態であったDX推進体制やプロセスの整備が再び進展し始めていることは、注目すべき動きといえます」と述べています。

IT製品・サービスへの投資意欲に関しては、「2025年度は『生成AI』と『AI/機械学習プラットフォーム』が新規導入可能性/投資増減指数ともにツートップとなり、『音声認識』『画像認識』といったAIが搭載されたアプリケーション、および『iPaaS/API管理ツール』『ローコード/ノーコード開発』といったAIを業務へ組み込むための環境への投資も活発化することが見て取れました。企業は、AIなどの先端技術を採用したIT製品・サービスへの投資とともに、先端技術を活用したDX推進の人材の採用と育成、そのための適切な予算確保を行うことで、デジタル技術によるイノベーションの成果をあげていくことが求められます」と述べています。

目 次

第1章 調査概要

1.1 調査の概要
1.2 回答者のプロファイル
1.3 回答者の所属部門と役職
1.4 回答企業の売上増減
1.5 データ利用上の注意

第2章 エグゼクティブ・サマリ

2.1 IT予算額の増減傾向とIT予算比率の変化
 2.1.1 4年連続で上昇したIT投資インデックス
 2.1.2 横ばいとなったIT予算比率と新規投資比率
2.2 IT戦略上の課題
 2.2.1 2025年度の2大テーマはイノベーション創出とデータ活用
2.3 DX推進の取り組み状況
 2.3.1 DX関連予算を計上している企業が大幅増
 2.3.2 停滞状態を脱し進展しつつあるDX推進体制・プロセス
2.4 AI活用推進の状況
 2.4.1 7割の企業がAI関連予算を計上
 2.4.2 顧客対応業務での活用が進むAI
2.5 テクノロジへの投資意欲
 2.5.1 勢いを増す生成AIへの投資
2.6 総評と提言

第3章 IT投資の方向性

3.1 IT予算の増減傾向
 3.1.1 IT予算額の増減傾向
 3.1.2 IT投資インデックス
 3.1.3 売上規模別に見るIT予算額の増減とIT投資インデックス
3.2 企業におけるIT予算比率
 3.2.1 IT予算額の分布
 3.2.2 売上規模別に見るIT予算額の分布
 3.2.3 売上げに対するIT予算比率
 3.2.4 売上規模別に見る売上げに対するIT予算比率
3.3 ITRの所見と分析

第4章 IT投資の戦略性

4.1 IT新規投資
 4.1.1 IT予算に占める新規投資比率
 4.1.2 売上規模別に見るIT予算に占める新規投資比率
 4.1.3 売上増減別に見るIT予算に占める新規投資比率
4.2 新規投資における目的別の内訳比率
 4.2.1 新規投資額の目的別内訳比率
 4.2.2 売上規模別に見る新規投資額の目的別内訳比率
 4.2.3 売上増減別に見る新規投資額の目的別内訳比率
4.3 IT予算の投資領域別内訳
 4.3.1 IT予算の投資領域別内訳
4.4 ITRの所見と分析

第5章 IT戦略と注目すべきIT動向

5.1 IT戦略上の重要課題
 5.1.1 最重要視するIT戦略上の課題
 5.1.2 重視するIT戦略上の課題(重み付けポイント)
5.2 主要なIT動向に対する重要度と実施状況
 5.2.1 主要なIT動向に対する重要度
 5.2.2 主要なIT動向に対する実施状況
 5.2.3 重要度と実施状況の関係
5.3 ITRの所見と分析

第6章 DXへの取り組み動向

6.1 DX関連予算の計上状況
 6.1.1 DX関連予算の計上状況
 6.1.2 売上規模別に見るDX関連予算の計上状況
6.2 DX関連予算額と増減傾向
 6.2.1 DX関連予算額の分布
 6.2.2 売上規模別に見るDX関連予算額の分布
 6.2.3 DX関連予算の増減傾向
 6.2.4 売上規模別DX関連予算の増減傾向
6.3 DXに向けた取り組み体制
 6.3.1 DXに向けた体制・プロセスの整備状況
 6.3.2 DXを推進する組織・体制
6.4 DX推進施策の進展状況と実践度スコア
 6.4.1 DXテーマの取り組み状況
 6.4.2 DX実践度スコア
6.5 ITRの所見と分析

第7章 AIへの取り組み動向

7.1 AI関連予算の計上状況
 7.1.1 AI関連予算の計上状況
 7.1.2 売上規模別に見るAI関連予算の計上状況
7.2 AI関連予算額と増減傾向
 7.2.1 AI関連予算額の分布
 7.2.2 売上規模別に見るAI関連予算額の分布
 7.2.3 AI関連予算の増減傾向
 7.2.4 売上規模別に見るAI関連予算の増減
7.3 AIの活用対象となる業務・用途
 7.3.1 AIの活用対象となる業務・用途
7.4 ITRの所見と分析

第8章 IT部門の人員動向と決定権

8.1 IT部門の正社員の配置および今後の計画
 8.1.1 IT部門の正社員比率
 8.1.2 IT部門正社員数の増減計画
 8.1.3 IT予算の増減予想別に見るIT部門正社員数の増減計画
8.2 IT人員の内訳
 8.2.1 IT子会社からのサポート状況
 8.2.2 IT人員の総従業員数に対する比率
 8.2.3 IT子会社の有無別に見るIT人員比率および構成
 8.2.4 IT人員比率の経年変化
8.3 デジタル戦略遂行のための人材配備策
 8.3.1 デジタル戦略遂行のための人材配備策の変化
8.4 IT支出に決定権を持つ主体者
 8.4.1 IT支出に決定権を持つ主体者とIT支出の割合
 8.4.2 売上規模別に見るIT支出に決定権を持つ主体者とIT支出の割合
 8.4.3 各主体者が決定権を持つIT支出割合の分布
8.5 ITRの所見と分析

第9章 製品・サービスへの投資動向

9.1 製品・サービス分野への投資意欲(全体)
 9.1.1 製品・サービス分野全体の投資意欲
9.2 インフラ/デバイス分野への投資意欲
 9.2.1 インフラ/デバイス分野への投資意欲
 9.2.2 業種別に見るインフラ/デバイス分野への投資意欲
 9.2.3 従業員規模別に見るインフラ/デバイス分野への投資意欲
9.3 ミドルウェア分野への投資意欲
 9.3.1 ミドルウェア分野への投資意欲の全体傾向
 9.3.2 業種別に見るミドルウェア分野への投資意欲
 9.3.3 従業員規模別に見るミドルウェア分野への投資意欲
9.4 業務系システム分野への投資意欲
 9.4.1 業務系システム分野への投資意欲の全体傾向
 9.4.2 業種別に見る業務系システム分野への投資意欲
 9.4.3 従業員規模別に見る業務系システム分野への投資意欲
9.5 情報系システム分野への投資意欲
 9.5.1 情報系システム分野への投資意欲の全体傾向
 9.5.2 業種別に見る情報系システム分野への投資意欲
 9.5.3 従業員規模別に見る情報系システム分野への投資意欲
9.6 セキュリティ分野への投資意欲
 9.6.1 セキュリティ分野への投資意欲の全体傾向
 9.6.2 業種別に見るセキュリティ分野への投資意欲
 9.6.3 従業員規模別に見るセキュリティ分野への投資意欲
9.7 全製品・サービスの投資動向まとめ
 9.7.1 新規導入/投資増加が期待される上位10製品・サービス
 9.7.2 各分野における上位3製品・サービス
9.8 ITRの所見と分析

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