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【R-225042_26008009320】戦略的EDIマイグレーション

作成者: 株式会社アイ・ティ・アール|Apr 7, 2025 12:00:00 AM

企業間データ連携の基盤として長年活用されてきたEDIは、システムの老朽化や保守運用の人材不足といった課題を抱えていながら、多くの企業では抜本的な改革に踏み切れていないのが実情である。本稿では、EDIのクラウドマイグレーションでの選択肢を解説するとともに、移行により付加価値を生み出す企業間データ連携のポイントを解説する。

これからの企業間データ連携

これまでの企業間データ連携は、受発注・在庫管理・請求処理などの定量的なデータを対象に、EDIと呼ばれるシステム基盤を用いて行われてきた。ITRが2024年3月に実施した『EDIおよびデータ連携に関するユーザー調査』において、EDI利用企業の課題を問うたところ、社内システムやEDIシステム自体の老朽化や、高額なランニングコスト、運用保守を行える人材数の不足が上位を占めた(図1)。1980年代に汎用機での普及が進んだEDIは、安定的な稼働の維持が重視されてきた。このため、利用企業の多くはこのようなEDIが置かれている脆弱な状況を認識しつつも、抜本的な対策に踏み出せていないと推察する。

図1.EDI利用における課題

出典:ITR『EDIおよびデータ連携に関するユーザー調査』(2024年3月調査)

ITRでは、以前にも、iPaaSを中心とするクラウド型データ連携基盤が、次世代のEDIになり得ることを提言している(ITR Review『これからのEDI』R-224053)。本稿では、将来像に掲げた次世代EDIの前ステップとして、クラウドEDIに進むための現実解を示したい。