生成AIは、その技術の発達に伴いさまざまなビジネスシーンで活用され始めている。一方で、その安全性を危惧する報道も増えており、生成AIの開発者/提供者/利用者を問わず不安や懸念をいただいている。なかでも、利用者は、情報漏洩や著作権侵害などの不安や懸念を抱えていることが、ITRが実施した調査で確認された。本稿では、調査結果を基に、生成AIを安全に利用するためのベストプラクティスを示す。
ITRが日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)と共同で実施した調査から、国内企業の生成AIの利用に関する調査結果を見てみよう。業務における生成AIの使用状況については、「会社で構築・契約した生成AIを使用している」が15.9%、「各自で契約・登録した生成AIを使用している」が19.1%と、合計35.0%の企業がすでに生成AIを利用していると回答した(図1)。また、「会社が生成AIの導入を進めている」と回答した企業(34.5%)も含めると、約7割の企業が業務において生成AIを活用または活用予定であることがわかった。