2000年代に始まった第3次人工知能ブーム以降、全世界でAIの社会実装が進み、国内企業においても生成AIのビジネス活用が浸透してきている。その一方で、AIに関連した新たなサイバー攻撃のリスクが懸念され、その対策の必要性が叫ばれている。本稿では、2024年11月に東京で開催されたサイバーセキュリティ国際会議「CODE BLUE 2024」で紹介されたソリューションを踏まえ、AIの社会実装に伴う新たなサイバー攻撃のリスクとセキュリティ対策の方向性を示す。
CODE BLUEは、世界トップクラスの情報セキュリティ専門家による最先端の講演と、国や言語の垣根を越えた情報交換・交流の機会を提供する国際会議であり、講演テーマはセキュリティ対策ソリューションの紹介から法規制に関連するものまで多岐にわたる。CODE BLUE 2024では、複数の講演でAIがテーマとして掲げられ、具体的なソリューションが紹介された。なかでも、生成AIを適用したソリューションが紹介されたことは特筆すべきである。また、生成AIを標的としたサイバー攻撃に対するソリューションとして、すでに国内市場でサービス提供されているソリューションがデモンストレーションと共に紹介され、サイバーセキュリティ分野において、AIへの関心が高まっていることが確認された。
CODE BLUE 2024でAIに関するセキュリティ対策ソリューションが紹介された背景には、AIの社会実装に伴って懸念される新たなサイバー攻撃のリスクへの警戒感がある。以下に、今回紹介されたソリューションを踏まえ、今後のセキュリティ対策の方向性を示す。