生成AIの急速な普及を受け、数年来進められてきたDX投資は新たな局面を迎えている。AIを戦略的に活用するために、今後企業はIT投資の総枠や目的用途の見直しを迫られると予想される。ITR Review『2025年度のIT予算増額企業が過去最高に~「IT投資動向調査2025」の要点(前編)』(R-224124)に続き、後編となる本稿では、DX/AI関連予算の策定と組織としての取り組み状況、そして2025年度に新規投資/追加投資される製品・サービスの上位10項目について述べる。
IT戦略を遂行するうえでDXは依然として重要なテーマであり、DXの推進には、情報システムやデジタル人材への投資、すなわちDX関連予算が必要となる。同予算の計上状況を調査したところ、計上している企業は82%に上り、前年調査の53%から大きく増加した。また、計上先に目を向けると、IT予算内とした企業は36%、IT予算とは別に業務部門などの予算とした企業は25%であった(図1)。一方、IT予算と他部門の予算の両方とした企業も20%存在することから、IT予算にDX関連予算の全部または一部を計上している企業は56%に上り、過半数を占めた。