業務への生成AIの適用が加速しており、カスタマーサポート業務においては、2025年度末までに約半数の企業が生成AIを活用すると予想される。本稿では、生成AIの適用に向けたコンタクトセンター・ソリューションの動向を踏まえ、企業は生成AIを適用してどのようにカスタマーサポート業務を変革していくべきかについて述べる。
顧客エンゲージメントの強化と、オペレーター不足などの課題解決のため、コンタクトセンターではこれまでも、CTIやCRM、顧客からの問い合わせ対応での音声認識、電話対応からチャットボットへのシフトなど、さまざまなデジタル化が進められてきた。
ITRが2024年8~9月に実施した『IT投資動向調査2025』の速報値によると、カスタマーサポート業務で生成AIを活用中の企業は27%であるが、2025年度末には半数に増え、2026年度以降の活用を含めると約7割にまで拡大することが予想される(図1)。具体的な活用方法としては、チャットボットでの多言語対応、学習済みのマニュアル記載情報の要約回答の生成、チャットボットに音声認識・合成機能を組み合わせたボイスボットによる電話対応のオフロードなどがあげられる(ITR Insight『顧客エンゲージメント領域における生成AIの活用』I-324101)。