近年、投資家をはじめとするステークスホルダーが企業のサステナビリティへの取り組みを重視していることに加えて、日本を含む各国・地域の政府機関や関連団体は情報開示基準を整備し、義務化に向けて動いている。こうした中、企業はサステナビリティに関連するデータを収集し、戦略的に活用することで、持続可能な成長と企業価値の向上を目指すことが重要となる。本稿では、サステナビリティデータの収集から活用に向けたプロセスを解説する。
近年、企業経営において、サステナビリティ(持続可能性)の重要性がますます高まっている。地球規模での気候変動や資源の枯渇、生物多様性の喪失といった環境問題に加え、社会的不平等や人権問題、地域社会との関係など、多岐にわたる課題が企業に対応を迫っている。これらの課題に対処するためには、企業が環境、社会、経済の各側面において持続的(サステナブル)なアプローチを取ることが不可欠になっている。
投資家も投資判断において、企業が持続的な成長が可能かどうかを判断するために、サステナビリティへの取り組み事項を重視するようになってきている。気候変動やダイバーシティなどサステナビリティに関する株主提案も増加している。