IoTは2010年代半ばより市場に急速に浸透した技術キーワードであるが、10年近く経つ今日においてもなお強い存在感を放っている。図1は、ITRが2022年秋に、企業ITにおけるインフラ/デバイス分野の投資意欲を調査した結果である。IoTは、5G(パブリック)と並び、投資増減指数と新規導入可能性の双方で高スコアを得ており、投資意欲の高い技術分野であることが示される。
ここ数年の定点調査では多少の変化はあるものの、傾向はおおむね一貫しており、IoTは継続して投資意欲が高い分野にプロットされる。2024年度の調査結果は現在分析中だが、その速報値についてもこの傾向に変化はない。ここ数年、メディアでの露出機会が減るなど、関心度が低下したかに見えるIoTだが、企業の投資アイテムとして安定したポジションにあるのが実態と見られる。市場においてIoTへの期待感が喪失したのではなく、むしろ普遍的なソリューションとして定着したことの証として捉えるほうが適切であろう。