レポート・ライブラリ|株式会社アイ・ティ・アール

【R-223063_8292943715】デジタルスキル標準の活用に向けて

作成者: 株式会社アイ・ティ・アール|Aug 30, 2023 5:09:31 AM

多くの企業が、DXの推進に向けたリスキリングや、従業員のデジタルリテラシー向上のための教育・研修に取り組んでいる。企業が、DXに求められる人材像やスキル要件を明確に定義するにあたっては、デジタルスキル標準(DSS)をひな型として活用することが推奨される。

デジタルスキル標準の活用

多くの企業が、DXの推進に向けたリスキリングや、従業員のデジタルリテラシー向上のための教育・研修に取り組んでいるが、研修や人材育成はDXの目的ではない。そもそも、DXの先に目指す企業像はどのようなものか、それを実現するにはどのような人材が必要かといったことが不明確なまま研修を行っても、受講者の内発的動機づけは高まらない。人材育成においては、中長期的な視点でDXに求められる人材像やスキル要件を明確に定義し、それに合致した人材を確保・育成するための計画とそれを実現するプログラムを策定し、実行することが求められる。

経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は2022年12月、DX推進における人材の重要性を踏まえ、個人の学習や企業の人材確保・育成の指針となる「デジタルスキル標準(DSS)」を公表した。両組織は、これまでもIT人材のスキルやキャリアを示した指標としてITスキル標準(ITSS)や情報システムユーザースキル標準(UISS)などを策定しているが、DSSはそれらのDX版といえる。各企業が独自に、人材像、各人材像が担う役割、必要なスキル要件や、習得すべき学習項目を定義するには大きな労力を要する。また今後、DSSに対応したスキルチェックの仕組みや研修プログラムが関係機関各所から提供されることが予想されるため、自社のDX人材戦略の遂行においてはDSSの活用が推奨される。

DSSは、経営者を含む全てのビジネスパーソンが身につけるべき能力・スキルの標準となる「DXリテラシー標準(DSS-L)」と、DXを推進する専門性を持った人材の役割や習得すべきスキルを示した「DX推進スキル標準(DSS-P)」の2つから構成される(図1)。これは、多くの企業が取り組んでいるリスキリングや教育・研修に合致する体系といえる。

図1.デジタルスキル標準(DSS)の構成

出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の資料を基にITRが作成