レポート・ライブラリ|株式会社アイ・ティ・アール

【R-223035_6963096897】着実に取り組み企業が増加したDX

作成者: 株式会社アイ・ティ・アール|Sep 19, 2023 3:41:03 AM

ITRが実施した『IT投資動向調査2023』では、16のDXテーマに対する取り組み/成果獲得状況からその実践度を測定する「DX実践度スコア」による分析を行っている。本稿では、前年に行った同調査と今回の調査結果を基にDX進展状況およびDX実践度スコア別の体制・プロセスの整備状況の関係を見る。

DXテーマの取り組み状況の変化

ITRでは、毎年実施している『IT投資動向調査』において、DXに関わる国内企業の取り組み状況を定点観測している。2021年および2022年秋に実施した調査では、国内企業におけるDX推進に向けた具体的な施策の進展状況を確認すべく、図1に示した16のDXテーマについて、それぞれの取り組み状況と成果の獲得状況を尋ねている。その結果、取り組んでいる企業と成果が出ている企業は、いずれも16の全てのテーマで2021年の調査時点からわずかではあるが増加した。

最初に、成果の有無にかかわらずDXテーマの進行中・実施済みの状況について見てみよう。2022年調査では進行中・実施済み企業の割合は、「ワークスタイルの変革」と「業務の自動化」において4割に達した。また、2021年から2022年にかけて進行中・実施済みの割合が最も伸びた(7ポイント増)のも「業務の自動化」である。これに続いて、「デバイスの活用による情報伝達の高度化」と「コミュニケーション/コラボレーションの高度化」も2021年から5ポイント増となり、従業員エンパワメントの領域のDXテーマにおいて進展が見られた。一方、オペレーション最適化および製品・サービスの競争力向上に属するDXテーマでは、「意思決定の迅速化・高度化」「ビジネス環境変化への対応」「製品・サービスの付加価値向上」「新製品・サービスの創出」において、2021年からの増加が3ポイント未満にとどまった。

次に、成果が出ている企業の割合に目を向けると、ここでも「ワークスタイルの変革」と「業務の自動化」がともに21%と最多となった。また、「業務の自動化」の同割合は、2021年から5ポイント増と最大の伸びとなった。他にも「コミュニケーション/コラボレーションの高度化」が4ポイント増、「デバイスの活用による情報伝達の高度化」「営業・販売活動の高度化」「顧客サポートの高度化」がいずれも3ポイント増と、比較的高い伸びを示した。

図1.DXテーマの取り組み/成果獲得状況の変化

出典:ITR『IT投資動向調査2023』