DXを推進する企業は、日々さまざまな困難に立ち向かっており、ITRには質問や相談が数多く寄せられている。本稿では、多くの企業に共通するDX推進に関する課題を一問一答形式で紹介するとともに、重要なポイントを解説する。
経営者やDX推進部門など社内の一部ではDXの重要性やデジタル化の必要性が理解されているものの、全社共通の認識には至っていないため、DXの推進が停滞したり、局所的な取り組みにとどまったりする状況が散見される。DXへの注目が高まって3年以上が経過しているが、DXの重要性に関する質問がITRにいまだ多く寄せられている(図1)。特に明確な業界破壊者が現れていない業界の経営者や、既存事業の維持に忙殺される事業部門のスタッフは、自社におけるDXの必要性に対する認識が低い傾向が見られる。
こうした状況を打開するために、ハイテクやメディアといった特定の業界に限らず、あらゆる業界の企業は、外部環境を冷静に分析し、20年30年先の未来を見据えたうえで、自社の存在価値を問い直し、DXの重要性を明確に示さなければならない。