ソフトウェアとユーザーの直接の接点となるUIのわかりやすさは、利用目的を達成しユーザーの課題を解決するための重要な役割を持つ。特に、顧客や取引先など社外ユーザー向けのWebサイトやスマートフォンアプリにおいては、そのわかりやすさが取引の成否などに影響する重要な要素となり得る。本稿では、UI構築のための既存の方法論を振り返り、UIの使いやすさの要因を考察するとともに、企業が使いやすいUIを継続的に構築し続けるための「一貫性と標準化」の考え方について言及する。
UIとは、ユーザーとコンピュータデバイスの接点を指す。PCの場合、ユーザーはキーボード/マウス/タッチパッド/タッチパネルより入力操作を行い、ディスプレイに表示したり、プリンタに出力したりすることが一般的であるが、時に難解な操作画面や、予期せぬエラーメッセージに遭遇することがある。企業のマーケティング活動のためのWebサイトやスマートフォンアプリなどで、このような操作上のストレスをユーザーに与えることは、離脱などを引き起こす要因となり、自社のビジネスの成長を阻むことにつながる。
UIとともによく使われるキーワードにUX(User Experience:ユーザー体験)がある。UIがデバイスとユーザーの間にある目に見える接点であるのに対し、UXは提供されるサービス全体から創り出されるユーザーの主観的な意識である。そして、UXを構成するさまざまな要素の中核となるのがUIである。